私のヒガンバナ研究はどこまで来たのか?(5) #ヒガンバナ
▼種子から育てる実生ヒガンバナに挑戦するとは言っても当時は何も知らなかった。
いかにいつもの「無手勝流」と言えども少しはヒントが欲しかった。
ヒガンバナの仲間のキツネノカミソリとコヒガンバナの実生実験が大きな勇気を与えてくれた。
ふたつとも2倍体であり、アタリマエに「種子」をつくると言われていた。
▼2倍体だからアタリマエと言われても自分で目にするまではすぐには納得できなかった。
まずはキツネノカミソリからはじめた。
以前から知っていた群生地に8月の末にでかけてみた。
確かに花の咲いたあとに子房部が丸くふくらんだ花茎がいくつもあった。大喜びして、その花茎を持ち帰りペットボトルに水を入れた簡易花瓶にさした。いつも観察できるようにそれを玄関に置いておいた。
やがて完熟し、真っ黒で真ん丸の「種子」を手に入れた。
それをチャック付きナイロン袋に濡れたティシュとともに入れた。
なんとこんな簡単な処理をしただけで
アタリマエと言えばアタリマエ!!なにしろ2倍体!!
でも感動だった。実生ヒガンバナへの光が見えてきた。
しかし、このときはまだ実生の全貌は見えてはいなかった。「発芽」と思ったのは正確には「発根」であると知るのは後のことだった。
▼もうひとつの2倍体コヒガンバナの実生はさらに感動的なものだった。
コヒガンバナのことは本などで知っていた。実際にこの目で確かめたく「宇治市植物公園」にでかけて行ったりしていた。
そんなときうれしいことが起こった。
2014/10/26 コヒガンバナの種子51個も分けてもらったのだ。
・チャック付きナイロン袋に保存
・2015.04 土ポット、育苗ケース(容器に濡れティシュを敷いただけ)で育てる。
最終的には49/51が発芽(発根)する。(発芽率97.6%!!)
・2015.05 5月はじめ49個を育苗土に植え替える。土ポットの分はそのままに
・2015.09.11 「出葉」はじまる!!
・最終的に39/49「出葉」する。(79.5%) 種子→「出葉」(39/51 76.5%)
やっぱりほんとうにコヒガンバナは2倍体だ!!
▼コヒガンバナは2016年の秋にも「出葉」してきた。
そして、2017年の昨日も「出葉」してきていた!!
2015年の暮れ、私はひとつのプロジェクトを立ち上げた。名づけて
◆「実生コヒガンバナを咲かせよう!!」プロジェクト!!
この実生コヒガンバナは「出葉」を繰り返し、栄養を球根(鱗茎)に貯め込みつづけ何年後かには、花茎をのばしコヒガンバナの花を咲かせるだろう。
遠大なる実生実験である。
私ひとりでは花を咲かせるところまで行けるか心許ない。
このコヒガンバナは元々「おすそ分け」で手に入れたものだ。
そこで考えたのが、この遠大なる実生実験を、「出葉」したコヒガンバナを「おすそ分け」して、多くの人で挑戦してみてはというこのプロジェクトだ。
もうすでに何人もの人の手元に行っている。
今年も「出葉」してきましたか?
(つづく)
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