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新・「自由研究」のすすめ試論(157)

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▼継続観察してきたコガネグモも最後の一匹になっていた。彼女はとてもいい場所を陣取っていた。
道路沿いの頑丈な金属の柵をうまく利用していたのだ。これだと強風に耐えやすい。柵にかくれてしまえば安全だ。再度ネットの張り替えをするのも簡単だ。そんな彼女を観察しながら、またまた小さな小さな私の「ふしぎ!?」を思い出した。

クモはなぜ下を向くのか!? 

わかっている人にはアタリマエのような「ふしぎ!?」だ。
 あのゲホウグモも、ジョロウグモもこれまで出会ってきたクモの多くが下を向いて待機していた。
 下とは地球の中心方向であり、重力のはたらく方向である。
 重力は彼女たちの安全・安心を脅かす。彼女はいつもお尻(出糸突起)から安全ロープ(牽引糸)を出していた。
 ジョロウグモの子グモたちは、団居の後半三齢期には下向きに整列するようになっていた。
 いくつも事実を見てきた。でもやっぱり私には「ふしぎ!?」だ!!
 どのように「研究」を展開していけばわからないままながら…。
▼「自由研究」と言えども、「研究」であるかぎり

「研究」はoriginalでなければならない!!

の鉄則の例外ではないと言った。
 それと相反するようであるが、

完全originalな「研究」なぞこの世に存在しない!! 

も事実である。これはこれまでの科学・技術史を見れば一目瞭然である。
 どんな大発見・大発明の「研究」だって、ゼロから出発したのではない。これまでの「研究」に大いに学び、ほんの少しだけの自分のoriginalを加えただけであるのだ。
▼「自由研究」を自分のoriginalにするためにどんな手段があるのだろう。
すぐに思いついたのは2つだ。
・自分の言葉を使う!!
・自分の観察・実験したデータを使う!!
 アタリマエのことばかりだ。
 しかし、これを完全実施すれば、たとえ似たような先行「研究」があったとしても、自分のoriginal「研究」になるのだ。

・自分の観察・実験したデータを使う!!できわめて簡単で有効なのが写真である。
研究報告に自分で撮った写真を添付することよって「研究」の評価はいっぺんに高められるのである。
 これはプロの研究者でも同様である。
 このときに注意することがある。画像データを扱う上でぜひとも心得ておきたいことだ。
 それを野島高彦先生は著書『誰も教えてくれなかった実験ノートの書き方』(野島高彦著 化学同人 )
のなかで教えてくれていた。

許されるのはトリミングとコントラスト調整だけです。(同書p77より)


(つづく)

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