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新・「自由研究」のすすめ試論(152)

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▼FBでコウガイビルのことが話題になっていた。
それで冷蔵庫に眠っている36号コウガイビルのことが気になって外に出して観察してみた。
 (゜o゜)ゲッ!!
 あれあの逆三角形の頭の部分(コウガイの部分がない)がない!!

 じっくり観察してみると先端の部分が、胴体部分にくっついているようにも見える。
 日が射してきてからもう一度外に出して観察してみた。
 動いた!! まちがいなく生きているようだ。
 しかし、やがてからだをくねらせもだえるように動いた!!
 これはヤバイ!?とあわてて冷蔵庫にもどした。
▼今年は、たったひとつだけの「仮説」をもって、コウガイビルの「ふしぎ!?」を追っていた。
 昨年は我が家の庭で25匹ものコウガイビルに出会いながら、すべて夏のあいだに「消えて」しまった。
 主たる原因は「気温」だと思っていた。
 あのダーウィンも指摘したように。

  私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 ならば「気温」が低ければエサなしでも生き延びることができるだろう。

というのが今年の「仮説」だった。
▼まだまだ蒸し暑い「熱帯夜」がつづいていた!!
 コウガイビルのみならず、我々にとっても「高温」はきつかった。
 あの「海陸風」の研究で学んだ河野仁先生が、さらに興味深い研究もされていた。

◆姫路市におけるヒートアイランド研究 ―気温分布の季節変化観測(古橋 和樹 河野 仁 2015)

実に面白い研究である。
我が家の「暑さ」の謎解きをする研究である。

▼ここでも「仮説」があった。
 「海陸風が海岸線に垂直方向の影響を与えるのでは」という「仮説」である。
 やっぱりそうだ。どんな「研究」にも「仮説」がある。
 「研究」は「仮説」からはじまるのだ!!

 「研究」は、はじめに「仮説」ありき!!


(つづく)

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