Webテキスト『天気の変化』の可能性!?(130)
▼あれっ ?(゜_。)?(。_゜)?
いつのまにか藤の実は鞘がねじれ割れて飛んでしまっていた!!
寺田寅彦の随筆『藤の実』を読んで以来、毎年コレという藤の実をきめて、この鞘がねじれ割れて種子が飛ぶ「瞬間」を目撃したいと思って観察していた。
今年もまた見逃してしまった!!
でもそれはいつだったんだろう!?
それはさておき、寅彦の面白いのはこの随筆に終わらないところである。
ついには科学論文「藤の種子の自然放散機構について」まで書いてしまうのだから。
「ふしぎ!?」を追う達人だった。
ホンモノはわかりやすく面白い!!
▼それは今ちびりちびり読み進めている
◆『大気の科学~新しい気象の考え方~』(小倉義光著 NHKブックス76 1968.9.20)
についても言えることだった。
半世紀近くも前の本だが、実にわかりやすく面白い!!
連日引用ばかりになるが、書き写すことで自分の頭の整理なると思いつづける。
大規模運動の第二の特徴は、風が等圧線にほぼ平行に吹いていることである。これは少し不思議ではないか。風は気圧の差があればこそ吹く。ふくらませた風船の口をゆるめれば、空気は圧力の高い風船内から、圧力の低い外部へ逃げる。そうだとすれば風は気圧の高い所から気圧の低い所へ、ちょうど谷川の水が低地へ流れおちるように吹くはずだ。それが等圧線に直角に吹かないで、等圧線に吹いているのはなぜだろう。(同書P30より)
誰しもいだきそうなアタリマエの「ふしぎ!?」にきっちりとつき合ってくれていた。
▼そして、謎解きの手法も教えてくれていた。
それを理解するためには、空気のかたまりにどんな力がはたらいているかを知る必要がある。その第一は、いまのべた気圧差よる力である。これを気圧傾度力とふつうよんでいる。 (同書P30より)
それにとどまらない。初学者の誰もが間違いそうなことについても触れてくれていた。
ここで一つ、つけ加えておく必要がある。地球上では、上空にいくにつれて、気圧は小さくなる。それならば、空気はいつも上向きの気圧傾度力をうけているから、上昇運動するのかといえば、そうではない。大気にはいつも下向きの重力と、上向きの気圧差による力とは、いつもほとんどつりあった状態にあるからである。ここで気圧傾度力というときには、ある水平面上で気圧の高低があるとき働く力をいう。(同書P30より)
なんという ていねいさ!!
なんという わかりやすさ!!
だから面白い!!
▼こうしてみると、「天気の変化」とは日々体験している「科学」そのものであることがわかる。
複雑系「科学」であると同時に、総合「科学」である!!
学校で学ぶ「理科」が全部出てくるのだ!!
この本があまりに面白いので、さらにスピードダウンしてみる。
ところで、この本もう手に入らないものかとAmazonで調べてみたら、先日安価で数冊あったのに、安価は一冊だけになってしまっていた。(^_^;)
(つづく)
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