サイエンスコミュニケーター宣言(373)
▼空の写真家・武田康男さんの数ある写真集のなかの一冊に『雲のかお』(小学館文庫 1998.10.1)がある。比較的初期の作品である。私のお気に入りの一冊である。
月ごとの「雲の表情」がすばらしい写真で紹介された後、「雲の名前」と続けて最後に「雲の日記」という章があった。その章の扉にこんな言葉があった。
新しい季節の予感を漂わせ、毎日、違う顔で、
通り過ぎてゆく雲たち。
そんな空の下で、
わたしたちは暮らしています。
それにつづいて、観測定点を決めて、一年365日、毎日の「雲のかお」が「記録」されていた。
私はそれにいたく感動した!!
面白いと思った!!
▼私が定点を決めて意識的に「雲見」をするようになったのは、この本に出会ったこの頃からである。
学校に勤務しているときは、「この窓から…」と決めていた。
そして今は、「庭の一点から、この方角を…」と決めている。
昨日の「雲のかお」の表情も次々と変わった。北風は強く冷たかった。
生野峠越えてくる雲たちは北の空を暗くしていた。やがて、空全体が曇り時雨がふってきた。
夕方が近づくに従い東の空に虹の「株」だけが見られた。
やっぱり「雲見」は面白い!!楽しい!!
▼ひと口に「中学校「理科」を楽しむ」と言っても、「楽しみ方」は十人十色だ。
多種多様である。
自分が今まで知らなかった「楽しみ方」を知ることは、目から鱗である。
そして、自分の「楽しみ方」をより豊かに膨らませてくれる。
これまでは「つまらないこと」「アタリマエのこと」と決めつけていたことも、他の人の「楽しみ方」をしれば、まったく新しい世界が見えてくるかも知れない。
▼
「楽しみ方」の再発見!!
それは、きっと
のねらいとするところである。
中学校「理科」とあえてかたぐるしく言っているが、けっして対象を限定する意図はまったくない。
誰も出会う「科学」として中学校「理科」と表現したのだ。
幸い中学校「理科」は、「科学」の全領域をカバーしている。
世代や立場を超えて中学校「理科」を楽しもう!!
「楽しみ方」を再発見しよう!!
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