新・私の教材試論(112)
▼大賀ハス観察池は蓮根の植え替えから35週目だった。
「あこがれの4日間」の観察などはるかな昔の話だ。でも私はこの観察池をかたづようとは思わなかった。
それは、この観察池が大賀ハスを観察するためだけのものでないからだ。
池のなかの生物をまるごと観察していた。言わば私だけの「ビオトープ」だ。
それだけではない気象現象観察の目安にしていた。昨日の朝も、田んぼや畦に部分的に霜が降りているのをみたが、観察池の枯れハスに霜が本格的に降りるのはまだだった。当然観察池に「初氷」がはるのはまだまだ先のことだ。
ここでアタリマエをひとつ。その「霜」も「氷」も水の固体だった。
空を見上げた。かなり上層の雲が浮かんでいた。
私は未だに、これも「氷晶」という水の固体であることをにわかには信じがたいのだ。
ごくごくアタリマエの「水の三態変化」にはまだまだ「ふしぎ!?」がいっぱいだ!!
▼新・教材試論をつづける。
●すぐれた教材(実験)には必ず興味深い「物語」がある!!
●すぐれた教材(実験)は、授業の文脈(コンテクスト)から生まれた!!
●はじめに文脈(コンテクスト)ありき!!
これはかわらぬ私の持論であった。
▼「水の三態変化」の授業におけるひとつの具体例でみてみよう。
●「水蒸気でマッチに火をつける!!」(過熱水蒸気の実験)
(゜o゜)ゲッ!!
水でマッチに火をつける ?(゜_。)?(。_゜)?
私もこの実験は大のお気に入りで、何度も何度やってきた。
今では教科書にもさりげなくとりあげられている実験だ。
先般のファラデーラボ「教師(演示)実験のかがく」でも紹介された実験のひとつでもあった。
▼その「物語」のはじめはここに記されていた。
◆物質の原子論―生徒と創造する科学の授業 (プロジェクトサイエンスシリーズ)(古川千代男著 コロナ社 1989.5.10)
古川千代男先生は数々のすぐれた教材(実験)を開発された大先達である。この名著今なら中古品で数冊だけ手に入るようだ。
同書、「4.6 200℃の水蒸気」(p75)にこの「物語」が記されていた。
「物語」はこんな「問題」から始っていた。
問題 水は100℃で沸騰し、すべて水蒸気になる。さて、水蒸気を100℃以上にすることは可能だろうか。200℃というような水蒸気は存在するのだろうか。予想を出し、その根拠を明らかにしてみよう。
(同書p75より)
(つづく)
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