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9月(長月)の俳句「歳時記」!!

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▼今年は大好きな「綿の花」を見逃してしまった!!
ヒマワリ畑の横に、今年も少しだけ綿を育てていた。今年の綿はなぜか発芽率が悪かった。
ヒマワリは枯れ、無残な姿となった。
もうあの夏は過ぎたのである。ヒマワリと一緒に放置したままにしていた周りの草刈りをした。
草むらのなかにすっかり埋もれるようにして、最後の「綿の花」が萎れかかっていた。
よくみれば、小さいながらもりっぱな実ができているではないか。
自然とはなんと律儀なものだ!!
▼旬を観察をする。それに新たな方法を採用していた。
それが俳句「歳時記」という方法だ。それは、「観天望気」の第三の方法でもあった。
ちなみに、「綿の花」は夏の季語、「綿の実」は秋の季語だという。

さあ、今月も例によって、

◆『書いて身につく 四季の名句120選』(鍵和田秞子著 NHK出版)

から名句10句を引用させてもらおう。

(1) 名月や煙はひ行水の上 嵐雪
(2) 移徒や先へ来てゐるきりぎりす 露川
(3) かりかりと蟷螂蜂の皃を食む 山口誓子
(4) 今生の今が倖せ衣被   鈴木真砂女   
(5) 鶏頭に鶏頭ごつんと触れゐたる 川崎展宏
(6) 秋の灯にひらがなばかり母の文 倉田紘文
(7) 虫籠の戸の開いてゐる朝の雨  藤本美和子
(8) ひとりづつ人をわするる花野かな 井上弘美
(9) 露のせてゐて芋の葉の濡れてゐず 白濱一洋
(10) 心にも正面ありぬ夜の桃 上田日差子

▼「名句」とよばれるものが「うまい!!」ということが少しだけわかりだした。
「なぜ、うまい!!のか?」はまだわからない。
 このなかでもお気に入りベスト3を選んでみる。

(5) 鶏頭に鶏頭ごつんと触れゐたる 川崎展宏

(1) 名月や煙はひ行水の上 嵐雪

(9) 露のせてゐて芋の葉の濡れてゐず 白濱一洋

▼それにしても「季語」の威力とはすごいもんだ。
「季語」をあげるだけで、そこを流れる「空気」まで再現できるのであるから。

「歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である」

と言ったのは寅彦だ。その意味がほんの少しわかりはじめた。
9月、私はどんな「季語」を使おうかな。
「綿の実」は使えるようになるのかな?

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