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【お薦め本】『鉄をつくる 出雲のたたら』(大竹三郎著 大日本図書)

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▼やっぱりあれは「葉芽」だった!!
旅から帰ってゆっくりとあの球根(鱗茎)の横断面があらわになっている場所に行って観察してみた。これが「花芽」の最初の観察になるのか期待していたが、そうではなかった。あきらかに「花芽」でなく「葉芽」である。
 もう地下の球根のなかでは「葉芽」も「花芽」も準備されているのだ。ではいつの段階で「葉」か「花」かの決定されるのだろう?あらたな「ふしぎ!?」が生まれてくるのだった。
 ヒガンバナでもうひとつ。中国山地にヒガンバナを追う旅だったが、家の周辺をよく見ていると、これまで定点観察の場所としていなかった梅の木の下にりっぱなヒガンバナが満開を迎えていた。
 たしかにその場所も少しジメジメした場所である。
 まさに「灯台もと暗し」の話だった!!
▼「灯台もと暗し」の話をもうひとつ。
 私は列車の旅に少し荷物にはなったが、二冊の本を持って行っていた。車窓からの「雲見」飽きたら読もうと思ってだ。結果的には「雲見」に飽きることはなかったからその時間はなかった。帰りの列車で暗くなってからだけだった。そのときは別の一冊を読み、この一冊は読まなかった。
 昨日、せっかくの機会だから読もうと読み始めた。読み始めたらとまらなくなった面白い!!
私にはめずらしくいっきょに読んでしまった。その一冊とは

◆『鉄をつくる 出雲のたたら』(大竹三郎著 大日本図書 1981.9.30)

である。
 ずいぶん古い本だ。もう入手がむつかしいのかも知れない。
 ためしにAmazon古書で調べてみたら、数冊だけリストアップされていた。
 ではそんな本をわざわざ今さら【お薦め本】にあげるのか?
 従って、これは【お薦め本】と言うより、私自身の「覚え書き」である。
▼いつもの【お薦め本】風に3つのポイントをあげておく。

(1) 身近な実験の話からはじめて子どもたちにもわかりやすい話にしている!!

(2) 自らの取材体験と結びつけ「鉄づくり」の歴史をリアルに語っている!!

(3) 豊富な研究資料・参考文献をあげ、「日本の科学・技術史」を興味深く語っている!!

 
 もう少し詳しく
(1) 身近な実験の話からはじめて子どもたちにもわかりやすい話にしている!!
 実はこの本は子ども向けに発刊された「日本の科学・技術史ものがたり」シリーズの一冊だった。
このシリーズには他に『色を染める』『エレキテルびっくり記』『塩づくりとくらし』『金属をさがす』等などがあった。
 私はこのシリーズの大ファンだった。
 特に「子ども向け」というところが気に入っていた。興味はあっても、浅学な私にゼロからはじめてくれるこのシリーズがぴったりだったのだ。さらには、必ず興味深い自分でもやってみることができる実験から話が始まっていた。今回は「砂鉄の実験」からはじまっていた!!
 『色を染める』では「タマネギの皮で染める」からはじまっていた。それが私が「草木染め」に興味をもつはじまりとなった。
 それにはわけがあると思っていた。著者・大竹三郎先生は、今や理科の教科書で定番化した数々の実験教材の開発者なのである。実験への「こだわり」はホンモノだ!!

(2) 自らの取材体験と結びつけ「鉄づくり」の歴史をリアルに語っている!!
 しばしば出雲へも出かけられ、「たたら吹き」の見学もされている。『和鋼記念館』(現『和鋼博物館』、先日伺ったところだ!!)にも行かれ、読者に薦められている。
 自ら体験したことに基づいて書かれているので、とてもリアルでわかりやすい!!

▼またまた長くなってしまいそうだ。少し急ごう!!
(3) 豊富な研究資料・参考文献をあげ、「日本の科学・技術史」を興味深く語っている!!
 繰り返すが私はこのシリーズの大ファンだった。
 人にも薦めていた。このような「日本の科学・技術史」に焦点をあてた専門書はたくさんあっても、子ども向けの本は少なかった。いや皆無と言っていいぐらいだ。
 「子ども向け」をあなどってはいけない。子どもが興味を持ち続け読み切ってくれるためには、ホンモノの面白さがなければならない。専門用語もわかりやすく面白く語られねばならない!!
 そのすべてがこのシリーズにはあった。
 子どもが楽しめる本は、きっと大人も面白いはず!!
 そう言って、ある雑誌にこのシリーズを紹介した。そしたら、著者自ら連絡をいただき、以降資料を送っていただいたこともある。深謝<(_ _)>
 

 私自らの「覚え書き」としながらも、実は願うことがひとつあった!!
 それは、このシリーズ復刻版である。文庫本版にして復刊でもよい。
ぜひぜひ…
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