【お薦め本】『「空のカタチ」の秘密』(武田康男著 大和書房)
▼昨日の朝、予想より一日はやく大賀ハス5号「あこがれの4日間」がはじまった。今年の観察池には今のところ5号までしかない。従ってこれが今年最後の「あこがれの4日間」ということになる。
日にちが予想より一日早かっただけでなく、目覚めの定刻もこれまでよりも30分ばかりはやかったようだ。
それにしてもやっぱり美しかった。強い日射しのなかであったが、「一日目」を楽しんだ。
午後になると天気は一変した。激しい雷雨が繰り返された。
カミナリの画像を撮ろうとがんばったがなかなかうまくいかなかった。カミナリを見るたびに思い出すのがちょうど一年前、富士山五合目から見たカミナリだ。
あんなに長い時間、それも解説つきでカミナリを見たのははじめてだった。
感動であった!!
▼そのとき解説してくださった武田康男さんが、またしてもすばらしい本を出された。
それが今回の【お薦め本】である。
◆『「空のカタチ」の秘密—いつもの空から幻想的風景まで 』(武田康男著 大和書房 2016.07.15)
読ませて(見せて)もらって感動した。
話が拡散してしまわないうちにいつものようにお薦めポイント3つをあげておく。
(1)空の写真家・武田康男の写真展に行った気分になる。
(2)美しい空の「カタチ」の科学的「ワケ」が、とてもわかりやすく解説されている。
(3)きっと自分でも空の「カタチ」を求めて探検してみたくなる。
▼言いたいこと言っておけばあとは気楽である。ひとつづつ、もう少しくわしく語ってみよう。
まず
(1)空の写真家・武田康男の写真展に行った気分になる。
私は実際にも、これまた一年前の夏に武田康男さんの「写真展」に行かせてもらったことがある。
すばらしいものだった。
この本を読んだら、そのときの感動が蘇ってきたのである。
それもゼイタクに今回記載されている写真は128点もある。
武田さんはきわめてアクティブだ。美しい空の写真を撮るためなら地球上のどこでも、昼でも夜でも出かけいく。
それを40年間も続けている。
だから撮りためた写真は膨大なものだろう。この本づくりの作業のほとんどはその膨大な写真から128点を選ぶのにつかわれたのだと思う。
武田さんの写真は、その一枚一枚に「文脈」がある。
その「文脈」読み取るがとても楽しい。
(2)美しい空の「カタチ」の科学的「ワケ」が、とてもわかりやすく解説されている。
正直に言おう。最初この本のタイトル『空の「カタチ」…』を見たとき、本意が理解できなかった。
特に「カタチ」という表現がわからなかった。
読了した今、私なりに納得できた。
「カタチ」とは、可視化された自然現象と理解した。
可視化された「カタチ」には必ず科学的「ワケ」(「科学的なしくみ」p3)がある。その「ワケ」を知れば「カタチ」より美しく見えてくる。
武田さん自身が言っていた。
どれも私が実際に確認して撮影したもので、写真と解説内容が結びついているはずである。(「はじめに」p3より)
その通りにできあがっていた。いつも感心するのだが、武田さんの解説はとてもわかりやすい。
難解なコトバはできだけさけて、私のようなシロウトにもわかりやすくなおかつ的を射た説明だ。
この本にもナルホドうまい!!
と思ったものがいっぱいあるが、2つだけあげておく。
「かなとこ雲」のところで
現代ではかなとこ見ること少ないので、子どもたちにはアサガオ雲と言った方がイメージしやすいだろう。(p14より)
「雨のすじ」のところで
雨粒が大きいほど速く、大粒の雨だと秒速10メートルにも達するが、それでも5000メートルの高さからだと約8分、2000メートルからでも約3分かかる。(p206より)
昨日の雷雨をながめながらナルホドと納得できた。
▼どうも話が長くなってなってきているようだ。少し急ごう。
(3)きっと自分でも空の「カタチ」を求めて探検してみたくなる。
7章ある。
第1章 雲のカタチ
第2章 虹のカタチ
第3章 光線のカタチ
第4章 太陽のカタチ
第5章 月と星のカタチ
第6章 雨と雪のカタチ
第7章 オーロラのカタチ
どの章も面白いが、今回特に私が面白いと思ったのは、
第1章 雲のカタチ
第6章 雨と雪のカタチ
第7章 オーロラのカタチ
だ。
「雲見」を毎日している私としては、「カタチ」にこだわった分類が興味深かった。
「雨と雪のカタチ」にはとっておきの画像がいっぱいだ。「雨脚」「雨の王冠」「凍雨」「降る雪」など。
そして「オーロラ」だ。これを見て、オーロラのイメージは大きく変わった。
プロの「空の探検家」である武田康男さんのようにはなかなかうまく空の「カタチ」を見ることができないかも知れないが、私も私なりに「空の探検」続けようと思った。
この本を読めばきっとあなたもそんな気持ちに…。
蛇足をひとつ
ひょつとしたらこれがいちばんのお薦めポイントかも知れない。
このすばらしい本がなんと799円(税込み)だ。なんと安価な!!
文庫本である。だから携帯自在だ!!さあ、いますぐ…
さあ、今日も「雲見」をつづけよう!!
| 固定リンク
コメント