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新・中学校「理科」を構想する。(24)

Dsc_1616
▼おそらく「花崗岩」だろう。
標本箱外の岩石の私の鑑定眼はその程度のものだった。これまで何度も指南を受けてきたが、あまり変わらなかった。(^^ゞポリポリ
 門先の石ころのなかに同じような石ころがたくさんあった。従って私は毎日これらを踏みつけていたのだ。
でも単純に「ふしぎ!?」だった。
 マグマが地下深くで冷えて固まってできた深成岩である「花崗岩」がここにあるのか?
▼ずいぶん昔になるが、ひとつのシナリオを聞いた。
地下深くでできた花崗岩は、まわりから長い時間をかけて押されて地表へ出てきた。
あんパンをゆっくりにぎりしめれば「あん」がなかから飛び出してくるくるように。
地表へ出てきた「花崗岩」はさらに押されて高い山になった。「花崗岩」は、かたくてなかなか雨水にも流されなかった。しかし、長い時間のあいだにはしだいに風化されてボロボロになっていった。
 長石や雲母は泥になったが、硬い硬い石英は最後までねばって砂になった。
 その典型が六甲山だ。
「花崗岩」の別名に「御影石」(みかげいし)というくらいだから。「白砂青松」で有名な須磨の海岸はそうしてできた。
 「長い時間」の「ものさし」はまだできなかったが、シロウトの私にも納得のいく話だった。
▼それは六甲山に限ったシナリオではなかった。
 少し範囲を拡げてみて近畿地方の中心部にそれが典型的に現れていると指摘したのは「山崎断層」の名付け親でもある藤田和夫だった。
 藤田和夫は『変動する日本列島』(藤田和夫著 岩波新書 1985.6.20)に次のように書いていた。

 このような地形環境を拡大すると、敦賀湾を頂点とし、琵琶湖・大阪湾・伊勢湾を含み、紀ノ川を底辺とする三角形の地域が浮かび上がってくる。その中にには南北に延びる短い山地や高原があり、それらの間には盆地が抱かれている。琵琶湖や大阪湾は、盆地に水がたたえられたところである。(中略)  このような山地と盆地が交互に出現する地形は、近畿の中央部を特徴づけるもので、私はこの地域を「近畿トライアングル(三角地帯)」と呼ぶことにした。そしてその成因が、日本列島の現在の姿を作り上げた運動に通じることを知ったのである。(『変動する日本列島』p10より)
 

 三角形の大きなあんパン!!
 なんとダイナミックで納得できるシナリオだろう!!
「近畿トライアングル」が気に入ってしまった。
知って以来ずっと今日まで使わせてもらってきた。
▼地質学の根本的な考え方に斉一主義・現在主義というのがあるらしい。
それを象徴するコトバが「現在は過去の鍵である」だ。現在進行形で起こっていることは「過去」にも必ず起こっているはずだ。そして、それは必ず「未来」にも起こるはずだ。
 何げなく眺めている風景に、足元にころがる石ころひとつにヒントがあるかも知れない。
 さあ、自分の暮らす地域の現在進行形「動く大地の物語」を語りはじめよう。
一度に無理であっても、少しずつ ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

(つづく)
 
 

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