本日(2016/05/08)、第128回オンライン「寅の日」!!#traday
▼4/29に帰ってきたあのゲホウグモが二日ぶりにみごとなネットづくりを完成されたのは夜の9時を過ぎていた。
それにしてもほれぼれとするようなみごとネットである。
感心するのは、完成したネットだけではない。ネットづくりの巧みな技もすばらしかった。
何度観察させてもらっても飽きない。すばらしい!!
昼間は、「ナンテンの幹」「古びたナンテンの実」になりすましていた貴奴は、定刻になると活動を開始する。
ネットをたたんで「店じまい」をする時間も決めているようである。
今朝もそれを見せてもらった。
ゲホウグモの観察を続けていると、無性にあの人にも見せたくなってきてしかなかった。
▼本日(2016/05/08)は、あの人・寅彦を読む日だ。
第128回オンライン「寅の日」である。
5月も4月に引き続き、寅彦の「観察眼」をテーマに読む。
読むのは「蜂が団子をこしらえる話」である。かつては「科学読み物」として国語の教科書によくとりあげられていた作品である。
◆本日(2016/05/08)、第128回オンライン「寅の日」!!
▼なぜ寅彦の作品が「科学読み物」としてよく取り上げられていたのか。
そのわけは、読んでみるとすぐわかる。
ともかく面白い!!
ぐいぐいとその「ふしぎ!?」謎解きの世界に引き込まれていくのだ。
それは時空を越えて、たった今読んでもでだ。
読んでいるうちにいつのまにやら寅彦と一緒に「謎解き観察者」になってしまうのだった。
それだけではない!!
そんな物語のなかに、次のような文章がはさまれるのである。
私は毛虫にこういう強敵のある事は全く知らなかったので、この目前の出来事からかなり強い印象を受けた。そして今更のように自然界に行われている「調節」の複雑で巧妙な事を考えさせられた。そして気紛れに箸の先で毛虫をとったりしている自分の愚かさに気が付いた。そしてわれわれがわずかばかりな文明に自負し、万象を征服したような心持になって、天然ばかりか同胞とその魂の上にも自分勝手な箸を持って行くような事をあえてする、それが一段高いところで見ている神様の目にはずいぶん愚かな事に見えはしまいか。ついこんな事も考えた。
これが益々面白さを増してくるのだった。
▼そして「物語」は次のようにしめくくられる。
虫の行為はやはり虫の行為であって、人間とは関係はない事である。人として虫に劣るべけんやというような結論は今日では全く無意味な事である。それにもかかわらず虫のする事を見ていると実に面白い。そして感心するだけで決して腹が立たない。私にはそれだけで充分である。私は人間のする事を見ては腹ばかり立てている多くの人達に、わずかな暇を割いて虫の世界を見物する事をすすめたいと思う。
私の今の心境としては、寅彦の「虫」と書いたところを「クモ」と書き換えたい!!
寅彦に見せたいクモはゲホウグモだけではなかった。
ジョロウグモの子グモたちの「団居」もだ。
昨日の朝、ひとかたまりになった「団居」も、よく見ていると面白い動きをしていた。まるで心臓が鼓動を打つようにリズミカルに動いていた。1~2秒間隔にドキドキと…。
昼前には、次なる変化を起こしていた。「団居」は2つの集団に分かれてしまったのである。
それは、夕方まで続いた。そして夜にはまたひとつの「団居」に…。
子グモたちを何をしているのだろう?
ほんとうの旅立ち・バルーニングはいつだろう?
大賀ハス観察池は蓮根の植え替えから6週目だった・
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コメント
楠田純一先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
ジョロウグモの団居は、
どうなりましたか?
投稿: 鈴木勝浩 | 2016/05/09 22:59
鈴木勝浩さん
おはようございます。
ジョロウグモの「団居」ですが、今朝書いたようにまだ続いていますね。
それにしてもやっぱり「ふしぎ!?」ですね。
なぜ?
きっといみあることなんでしょうね。
アリガタイのは、昨年彼女が残していってくれた「卵のう」の位置が、まったく観察に向いているところなもんで、じっくりと観察できます。
ふつうは「団居」の位置を変えていくようですが、この軒下は、雨宿りに恰好の場所のようで位置をかえませんね。さて、いつまで…?
また、報告したいと思います。
投稿: 楠田 純一 | 2016/05/10 05:23