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「予想」と科学教育(5)

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▼「オドリコソウ」!!
なんとみごとなネーミングだろう!!
 オドリコソウだけではなかった。朝の散策でみかける草花は着々たる春の進行を教えてくれていた。
さらにはスギナやムラサキゴケについた大量の水滴で大気がたっぷりと水蒸気を含んでいることがわかった。
 そして、昼頃に空に出現した「日暈」は、今朝の雨を予告してくれていたのだった。
▼まだまだ
§5. 着目史その4 - 理科ノート方式
◆細谷純・永野重史・新田倫義「理科ノート方式による授業の創造と研究」(『学習心理』第4巻第4号、小学館 1963年7月)

を続けよう。
 原文が手元にないので、庄司氏が引用した孫引きというかたちで引用してみよう。

「………われわれは、自己の授業研究の方式を、《理科ノート方式》と通称しているが、これはあくまでも便宜的な呼び方にすぎない。《理科ノート》は便利であるが、必ずしもなければならない要素ではない。
 むしろ、《教授プログラム方式》とか《学会方式》とか呼んだほうがよいかもしれない。それよりも、究極的には、授業の創造のための特定の方式などはありえないと考えるほうが正しいかもしれない………。
われわれはただ、現在までのわれわれの成果を、自覚的に方法化していることを表明するために方式を付したにすぎないことを補足しておく」

 なんと説得力のある文章だろう。半世紀以上たった今も合点するところが多い。
▼ここでもう一度遡行してみる。
庄司和晃氏が「着目史」の2つ目の例としてあげた

§3. 着目史その2 - 理科実践論
◆高橋金三郎・菅野聡共著『理科実践論』(1959年刊、同学社)

の高橋金三郎氏は、ちょうど半世紀前の1966年に次なる文章を書いていた。

◆『中学理科サークル通信ノート1.2.3』(科教協東北地区協議会1966.3.31)「序文」
 (「中学理科サークル通信ノート」は、1960年にスタートしている。)

この理科通信サークルは次のような動機で始められました。

1.理科教育研究は現場の教師を主体にしなければならないが、教師は研究者として認められていないために、相互交流の機会が少ない。年一回の大会では不十分である。

2.大会自体の運営がおかしく、現場の実践をおしすすめるためのきめこまかなものになっていない。もっとザックバランに何でも話し合えるサークル的雰囲気がほしい。

3.創造的な教育研究をやろうとすると、どうしてもひとりぼっちになるし、失敗も多くて、くじけてしまう。
どこかで仲間が絶えずはげましていてほしい。

4.研究をそのまま発表するのでなく、それ以前にチェックされたり、援助されたりして、できるだけレベルの高いものにして発表したい。
 
  (中略)

 こうした事情を見聞するにつれ、どうにかして手軽な手段で最初に書いた願いを満たすものをという気持ちが段々強くなりました。そして思いついたのが、この通信サークルノートの回覧です。そのBack Groundには次のようなことがありました。

1.東北大学で理科の通信教育に従事して非常に有益だったが、同時に受講者間の交流がないために無駄な労力が払われた。

2.第一線の科学者は航空便や電話で国際的に日常の研究を交換している。学会はその決算日にすぎない。現場の教師でも手紙を出す暇はあるだろう。

3.1:1の手紙の交換(ラブレター方式)は有効だし、これからもすすめられねばならないが、研究集団組織を強化していくためには、semi-publicのノートの回覧の方が有効である。多くの変わった角度からの意見が出る。

4.ひとつのサークルに沢山の人をいれていけば、その人が中心になって多くのサークルができてくるだろう。

5.学生時代のクラブ活動で、部屋に厚いノートがあり、各人が勝手なことを書いているうちに連帯感が強められたし、普通の勉強では得られぬ多くのことを学習した。

 今読み返してみてもワクワクしてくるような文章だ。「【理科の部屋】とは」を説明するためにも度々引用させてもらってきた文章だ。
▼「歴史」は人と人の「出会い」の物語でもあった。
1965年庄司和晃氏が「理科教育における「予想・仮説」着目史」の具体例であげた
・§3. 着目史その2 - 理科実践論
・§5. 着目史その4 - 理科ノート方式
のふたつの流れは合流することになるのである。

●1970年3月 「極地方式研究会」創設

ここにもすぐれたネーミングが!!

図らずも庄司氏は、この流れを予見していたのかも知れない。

(つづく)
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