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2016年の「ヒガンバナ研究」はどこまで!?(1) #ヒガンバナ

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▼いかに暖かいと言えども寒中!!
こんな時期に「ヒガンバナ観察」というと「なんと季節はずれな!!」ということになるだろうか。
 でも私はそれはちがうと思う。
 植物「ヒガンバナ」の観察は、今こそもうひとつの本番であると思っている。
  もう20年近く観察を続けている定点観察地Aのヒガンバナの葉は今が盛りだった。
  他の植物たちが成長してくるまで、光は「独り占め」だった。その光をたっぷり受けて、地下に栄養を貯め込んでいた。言わば今こそ「稼ぎどき」である。
「季節はずれ」などではけっしてないのだ。
▼そのとなりの定点観測地Bのヒガンバナはアカシロの揃い組だ。
シロバナヒガンバナの葉は一足に先に少し黄色くなり、枯れがはじまっているかに見える。
例年にくらべ早いような気がする。
暖冬の影響だろうか?
 もうひとつ恒常的に観察しているヒガンバナがあった。
 それは昨年の6月に東京から引越してきたヒガンバナである。大きな植木鉢で育てていた。
 これは、定点観測地Aのヒガンバナと東京で育っていたヒガンバナを交換して、気候環境によってどんなちがいがでるかという比較観察をしているものだった。
 さらには、昨年の11月末から植木鉢で観察しているヒガンバナがある。
「自然結実」ヒガンバナ群生地から採集してきたヒガンバナである。こちらの方は、採集の時のダメージのせいかすでに枯れはかなり進行していた。
▼これらを観察しながら、今年の「ヒガンバナ研究」計画を立ててみようと思った。
昨年、私の「ヒガンバナ研究」は飛躍的にすすんだ!!その分だけ「ふしぎ!?」も大きく膨らんできた。
 年の初めの今こそ、今年の「ヒガンバナ研究」を展望してみよう。
 もちろん途中での方向転換もアリということで…。

【課題1】ヒガンバナのライフサイクルと気候
・暖冬は開花期に影響するだろうか?
・気候変動とライフサイクルの関係は?
・同じ株のヒガンバナでも地域によって「発葉期」「枯れる時期」「開花期」などにちがいは出るか?
▼次にぜひとも今年の「ヒガンバナ研究」で取り組みたい課題がある。
昨年末にとても興味深い情報が入ってきた。
「自然結実」するヒガンバナは「二重根」になっていることがあるのでは?
「二重根」自体はじめて知ることだった。
 たまたま今、植木鉢で育てている「自然結実」ヒガンバナを採集したときの画像を公開したことからの展開であった。
 面白い!!
 これまでも気になりながらも、深く追求することがなかった「ふしぎ!?」。
 見えない地下で、ヒガンバナに何が起こっているのだろう?
それが無性に知りたい!!

【課題2】 地下でヒガンバナに何が起こっているのか?

(つづく)
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コメント

急激に寒くなって、外出をひかえています。
今年も面白い情報を期待しています。

「二重根」という表現は不適当で、あえて言うのであれば「多段球根」でしょうね。
ヒガンバナ科やネギ科には時々見られる形態で、ヒガンバナの場合は人為的な掘り起こしや土砂崩れなどで地中深く埋まってしまった球根が、何とか生き残ろうと栄養茎を上に上にと伸ばして新たに球根を形成したものと考えられています。私は3段になったものを見たことがあります。松江幸雄先生の『日本の彼岸花』には写真もでています。

ヒガンバナの実生の染色体数については小山松太郎さんや私の観察があります。実生の稔性などについては、拙著やHPの中の「花は咲けども」に挙げた先人たちの研究もご覧ください。

投稿: 栗田子郎 | 2016/01/12 20:45

栗田子郎さん
おはようございます。
ほんとうれしくありがたいです。今年もいろいろアドバイスよろしくお願いします。

>「二重根」という表現は不適当で、あえて言うのであれば「多段球根」でしょうね。

ナルホド!!
なぜそうなるかもありがとうこざいます。
それにして知れば知るほどヒガンバナはすごいやつですね。益々興味がでてきます。


>私は3段になったものを見たことがあります。松江幸雄先生の『日本の彼岸花』には写真もでています。

(゚o゚)ゲッ!!三段ですか!!
それはすごいでしょうね。松江先生の写真も今見せてもらいました。これを見ていると私がたまたま掘り出してしまったのは「二段球根」にまちがいなさそうですね。
 そこはよその家の田の畦ですので、別場所でまた掘ってみようと思います。

>ヒガンバナの実生の染色体数については小山松太郎さんや私の観察があります。実生の稔性などについては、拙著やHPの中の「花は咲けども」に挙げた先人たちの研究もご覧ください。

ありがとうこざいます。
参考にさせてもらいながら、研究をすすめたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: 楠田 純一 | 2016/01/13 06:15

ご無沙汰しています。
あれこれと手を広げながらも、ヒガンバナ研究も、最近、進展がありました。
3倍体から得た種子が発芽し、鱗茎も発達してきています。詳しくは、http://blogs.yahoo.co.jp/ffj_sgfp
 をご覧ください。
今週中にも、染色体の観察を行う予定です。
ご存知かもしれませんが、http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/nhr/32/nhr32_027-032_seto_s.pdf も参考にしています。

投稿: 吉田宏 | 2016/05/10 16:36

吉田宏さん
ヒガンバナ情報をありがとうございます。
きれいにまとめられたんですね。
私の方の2014年度採集の種子3つの実生ヒガンバナ、葉が枯れてきました。
吉田さんのところ鱗茎が見えるかたちで育てておられるのでわかりやすいですね。参考にさせてもらいます。
意気消沈していることがあります。
それは、2015年採集の大量の種子、どれもカビがきてしまい「発芽」の気配がありません。
まだ完全にはあきらめてはいませんけど…。
またここで報告したいと思います。
種子を採集してからのこと、またくわしく教えてください。
それから、染色体を調べられるとのこと、すごく期待しています。これも結果を教えてください。
よろしくお願いします。<(_ _)>

投稿: 楠田純一 | 2016/05/11 10:02

今日、生徒たちと染色体の観察をと楽しみしていたのですが、貴重なヒガンバナということで、掘っているうちに不安になり、生徒たちは根の採取を断念してしまいました。
大事にしたいという気持ちを大切にしてあげたいと思い、採取は夏の休眠明けを目標とすることにしました。休眠時に鱗茎を掘り起こせるといいのですが、そうなれば水栽培の要領で発根させ、そして観察というのもよいのではと思っています。

採種後の管理ですが、私たちは湿らせたミズゴケで種子を包み、そのまま密閉容器に入れています。保湿保存を行っています。2015年は、草刈りのタイミングが悪かったため、いい状態の花茎がなく採種に失敗しました。子房はよく膨らんでいたのですが…。

投稿: 吉田宏 | 2016/05/12 20:10

吉田宏さん
続けてのヒガンバナ情報ありがとうございますね。
貴重なヒガンバナ鱗茎大切にしたいという生徒さんたちの気持ちとてもよくわかります。
 今後の染色体観察の報告を楽しみにしています。
それから、採取後の保湿保存の方法ありがとうございます。今年もうまく種子を手に入れることができれば、そのようにしたいと思います。
 私の方の実生ヒガンバナの様子は明日のblogで報告をさせてもらいたいと思います。
 今後ともよろしくお願いします。
 生徒さんたちにもよろしくお伝えください。<(_ _)>

投稿: 楠田 純一 | 2016/05/13 11:19

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