師走の「雲見」とクモ学!!(2)
▼私『おはようございます。寒いですね!』
彼女『ああ、またあんたか。どないしたんや、えらく今日はていねいやないか。』
私 『あんまり馴れ馴れしいのもあかんのかと思って、それに知れば知るほど尊敬してしまって…。』
彼女『はあ?(゚_。)?(。_゚)?、あんたも変わったやつやな。』
彼女『だいたいあんたらは、私らのことあんまり知らんとってこわがったり気持ち悪がったりするやけど…。』
私 『はい!私も3年ほど前まではそうでした。こんなに近くで暮らしていてまったく知らんかったし、興味もなかったです。まだようわかっていないけど興味だけはもつようになりました。』
彼女『その急にていねいなことば気持ち悪いな。ふつうで…』
私 『はあ』
彼女『それでちょっとは勉強したん?』
私 『うん、ちょっとだけやけど…』
▼私『それでええかな。いくつか聞いてみたいことあるんやけど…』
彼女『邪魔くさいやつやな。なんやねん?』
私 『今日なんか雲が出てきて昨日よりは寒くなりそうなんやけど、大丈夫なん?』
私 『寒うないん?体温もさがっているんとちがうん?』
彼女『そりゃ寒いわ。私らは周りが寒なったら、それにあわせて体温もさがるからな。』
私 『やっぱりあたたかい方が好き?』
彼女『そりゃ、そうやろ。獲物もいっぱいおるしな。』
私 『生きものは、それぞれに適当な温度ってあるんやろか。妙な話するけど、この冬一緒に乗り越えようとつかまえていたコウガイビルという生きもの、残念ながら消えてしもたんや。』
彼女『なんやそりゃ、殺したんか。』
私 『いやそうではないけど、死んでしもたんや。』
私 『それで、今さらながら思ったんやけど生きものにとって温度って大切やな。』
彼女『…』
▼私『寒さに耐えるといってもやっぱり限界というものがあるんやろ。』
彼女『まあ、そりゃな。寒くなりすぎたら凍ってしまうしな。』
私 『本で読んだけど、これまでに体が凍ってしまって生きたクモって一匹もいないんやて。』
私 『これも本の受け売りやけど、だから体が凍り始める温度=過冷却点SCP(supercooling point)を知ることが大切とそれを研究しているクモ学者もいるんやて。』
彼女『へー物好きな人間もいるんやな。』
私 『それで、君の場合はそれは何℃ぐらいなん?』
彼女『そんな知らんわ!!そんなのおまえ等が勝手に調べとるだけやろ!!』
私 『ゴメン!!また怒らしてもうたな。』
私 『話変えて、この寒さに耐えるためにどないしとるん?』
彼女『そりゃ、見ていたらわかるやろ!!』
私 『う~、ひょっとしたら日向ぼっこ!?』
彼女『まあ、そんなもんかな。』
▼私『やっぱり、そうなん!!ネットの角度を変えたり、一日のうちにでも姿勢を変えたりして、ちょっとでもたくさん日に当たるようにしているとか…。』
彼女『…』
私 『そうだとしたら、それも段々厳しくなるな。だんだん日は短くなってきているんやから…。』
彼女『うん、そうやねん。それはわかっとるぜ!!』
私 『(゚o゚)ゲッ!! それ知ってるん!?』
彼女『なにびっくりしとんね。アタリマエやろ。日の長さにあわして生きとるんやんか!!』
彼女『そんなこともわかっていなかったんか。まだまだやな…。』
私 『…』
(つづく)
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コメント
楠田先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
SCP.なるほど!初めてしりました。
体液が凍ってしまったら、
生物は死んでしまいますから、
それぞれの生物が工夫しているのでしょうね。
クモの場合、
種によって、卵で越冬するもの
幼生で越冬するもの、成体で越冬するもの
さまざまです。
さまざまなステージといいますか
成長段階で越冬するわけですが、
それぞれが、体液が凍らないように
工夫しているのでしょうね。
気温が0度以下になっても
体液が凍らないように・・・。
それでは、また。
いつも、楠田先生、ありがとうございます。
投稿: 鈴木勝浩 | 2015/12/09 20:00
鈴木勝浩さん
コメントありがとうございます。
「越冬」をどのライフステージで向かえるかは大問題ですよね。元々は熱帯にいたであろうクモたちが、高緯度の地帯へ進出てきた宿命ですよね。
知れば知るほど
「クモはすごい!!」
と思ってしまいます。
投稿: 楠田 純一 | 2015/12/10 06:54