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本日(2015/11/22)、第113回オンライン「寅の日」!!#traday

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▼一昨日(2015/11/20)、自宅の庭の掃除をしていて、人生9番目のコウガイビル(陸棲プラナリア)に出会った。
私にとってこのコウガイビルという生きものは特別の意味をもっていた。
 見た目の「キモイ」を超えて、生命の不思議さを語る特級教材だった。最初に出会ったコウガイビルはエサなし261日間水だけでナイロン袋のなかで生き延びた。そして、私を生命科学最前線まで連れて行ってくれた。
 それにしても不思議なことだ。
 今年の春から今までに、5匹目から9匹目まで集中して、庭の同じような場所からみつけていた。
 あんなに捜してきたのに、もっとも身近なところにいるなんて!?
やっぱり、寅彦のあの言葉を使ってみたくなるのだった。

 「ねぇ君、不思議だと思いませんか?」

▼本日(2015/11/22)は、第113回オンライン「寅の日」です。
 【理科の部屋】誕生月ということで、「理科教育」関係のもの読んでいます。
今回は、前回に引き続いて雑誌『理科教育』に寄稿されたものです。
前回の「研究的態度の養成」は1918年(大正7)、雑誌が創刊された年のものでした。
それからちょうど10年、1928年(昭和3)に書かれた「雑感」(『理科教育』)を読みます。

◆本日(2015/11/22)、第113回オンライン「寅の日」!!

●「雑感」(『理科教育』)(青空文庫より)

▼私はこの文章が大好きです。
いちばんの「お気に入り」なんです。これを読むと、勇気わいてくる気がするのです。
「理科の教師でよかった!!」と心底そう思えてくるのです。
寅彦は言います。
 理科教育にとって最も大切なものはコレだと言っています。

それは教科書や講義のノートの内容そのものよりも、むしろそれを教わった先生方から鼓吹された「科学魂」といったようなものであるかと思われる。

 「科学魂」なんて言うと、なんか復古調の変なイメージを抱いてしまいそうですが、けっしてそうではない。
後を読むと、それがよくわかる。
 理科教育の「不易」をさす言葉である。

もう少し詳しく
 

科学教育の根本は知識を授けるよりもむしろそういう科学魂の鼓吹にあると思われる。しかしこれを鼓吹するには何よりも教育者自身が科学者である事が必要である。先生自身が自然探究に対する熱愛をもっていれば、それは自然に生徒に伝染しないはずはない。実例の力はあらゆる言詞より強いからである。

▼そして、次々と私を勇気づけてくれる言葉が続く。

ただ先生自身が本当に自然研究に対する熱があって、そうして誤魔化さない正直な態度で、生徒と共に根気よく自然と取込み合うという気があれば十分である。先生の知識は必ずしもそれほど広い必要はない。いわゆる頭の良い必要はない。

 間違いを教えたとしてもそれはそれほど恥ずべき事ではない。また生徒の害にもならない。科学の歴史は一面から見れば間違いの歴史である。間違える事なしには研究は進められない。誤魔化さないことだけが必要である。
先生の分らない事は大抵誰にも本当はよく分らない事である。分らない事は恥でも何でもない。分らない事を分ったような顔をするほど恥ずべき事はない。

なんか、とても「うれしい」気分になってくるのである。
この寅彦から理科教師に向けての熱きエールは、87年の時空を超えて今も(いや、今こそ)有効である!!

 さらに不思議に思うのは、5~9匹目までのすべてのコウガイビルはすべて、大賀ハス観察池周辺で出会ったということだ。なにかの関係があるのだろうか?
 その大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから34週目だった。

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