あのジョロウグモが産卵した!! #クモ学
▼居ない!!
一昨日(2015/10/23)まで、確かにそに居たあのジョロウグモの姿が見当たらない。
8月の末からずっとそこにネットを張り居を構えてきていた彼女が居なくなったのだ。
もう2ヶ月近く毎日朝も昼も夜もつきあってきた。びっくりするほどお腹も大きくなってきていた。
私はいささか焦った。
その下の地面を、上のトタン屋根を、周囲をていねいにていねいに見回した。
▼居た!!
ネットから離れること1mばかりのところに。トタン屋根のすみっこだ。
そこで彼女は産卵を終えていた!!
「卵のう」は、トタン板に張り付けられるように産まれた。
ムラサキの花びらようなものはなんだろう?(゚_。)?(。_゚)?
産卵を終えた彼女は落ち着いていなかった。
産卵でエネルギーを使い果たしたのだろう。ふらふらだ!!
にもかかわらず周囲をウロウロしていた。
木の柱の裏面にまわりかじりつくような仕草をしている。お腹がすいているのだろうか?
また別の方向へも移動する。
もうふらふらだから、落下しそうになる。事実、落下もした。
辛うじて「安全糸」一本でぶらさがった状態にもなった。
なめらかなトタン板も「安全糸」一本でかなり離れた位置まで移動した。
なにをしているのだろう?(゚_。)?(。_゚)?
▼後で屋根の端の方に移動したときの写真を見て私はやっとわかった!!
屋根の端に、ムラサキに変色したナイロンのひもがあった。
「卵のう」にはり付いた花びらのようなものは、このひもの切れ端だ。
彼女がふらふらのからだで、「卵のう」のまわりでなにをしていたのかがわかった!!
彼女は、自分の「卵のう」を隠そうとしていたのだ。隠すために「卵のう」を覆う資材を求めてウロウロしていたのだ。柱にかじりつくような仕草の意味も理解できた。
それは後にとった彼女の行動でもわかった。
昼頃になってやっと落ち着いた。
覆う資材がなければしかたない、自分の身をもって覆うしかない!!
そんなつもりだっただろうか。
「卵のう」を保護するように姿勢をとった。それからは動かなくなってしまった。
夕方になってもそのままの態勢だった。
▼昨夜の風は冷たく強かった!!
今朝も見に行ったらこのままの態勢でいた。
この後どうするのだろう?
来年の春にはこの「卵のう」から、子グモたちが出てきて「団居」をするのだろうか。
大空にバルーニングする姿もみられるだろうか。
楽しみである。
いやその前に彼女はどうするのだろう。
その方が今は興味津々だ。
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コメント
楠田先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
ジョロウグモ、無事、産卵を終えてよかったです。
卵で越冬、来春、孵化し旅立ちますね。
4月下旬ごろでしょうか?
きょうは、関東、木枯らし1号となりそうです。
季節が冬へと・・・。
どうぞ、楠田先生、お体を大切に。
投稿: 鈴木勝浩 | 2015/10/25 07:35
鈴木勝浩さん
コメントありがとうございます。
いつもクモについて教えてもらってうれしいです。
私はどうもクモに気に入ってもらったようで、今回もまった観察に持ってこいの場所に「卵のう」を産みつけてくれました。
来年の春の観察も見逃さないようにしたいと思います。
ところで、この親のジョロウグモこれからどうするのでしょう。今日2015/10/25現在ところ、「卵のう」を身をていして守っているようです。
間もなく死んでしまうのでしょうか?
投稿: 楠田 純一 | 2015/10/25 16:57