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本日(2015/10/17)、第110回オンライン「寅の日」!!#traday

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▼昨日(2015/10/16)は正真正銘の「秋晴れ」であった。
雲ひとつ無い青空が広がっていた。朝方だけかと思っていたら、そうではなかった。
昼になってもどの方向にも雲ひとつ出現しなかった。まさかまさかと思っているあいだについに日が暮れてしまった。
 終日の「青空」をながめながらあの人のことを思いだしていた。
 誰も一度は抱く「ふしぎ!?」=「空はなぜ青いのか?」。
その不思議の謎解きをやったのは科学者レイリーだった。(レイリー散乱)
そのレイリーを自らの科学研究を重ねあわせながら熱く語ったのは寅彦だった。(「レ-リー卿」)
▼本日(2015/10/17)は、その寅彦を読むオンライン「寅の日」だ。
第110回目である。
 本日読むのは、9月末から続けている「柿の種」だ。
昭和6年(1931)から最晩年の昭和10年(1935)の部分について読む。
ちなみに先の「レーリー卿」は昭和5年(1930)に書いている。

◆本日(2015/10/17)、第110回オンライン「寅の日」!!

●「柿の種」(3)

▼このころ「寺田物理学」は完熟期に入っていたのだろうか。
実に面白い「覚え書き」をみつけることができる。
「椿の花の落下実験」にツナガル!!

今朝も庭の椿(つばき)が一輪落ちていた。
 調べてみると、一度うつ向きに落ちたのが反転して仰向きになったことが花粉の痕跡からわかる。
 測定をして手帳に書きつけた。
 このあいだ、植物学者に会ったとき、椿の花が仰向きに落ちるわけを、だれか研究した人があるか、と聞いてみたが、たぶんないだろうということであった。
 花が樹にくっついている間は植物学の問題になるが、樹をはなれた瞬間から以後の事柄は問題にならぬそうである。
 学問というものはどうも窮屈なものである。
 落ちた花の花粉が落ちない花の受胎に参与する事もありはしないか。
「落ちざまに虻(あぶ)を伏せたる椿哉」という先生の句が、実景であったか空想であったか、というような議論にいくぶん参考になる結果が、そのうちに得られるだろうと思っている。
 明日は金曜だからまた連句を進行させよう。
(昭和六年五月、渋柿)

またまたこちらまでワクワクしてくるような実験もやっていた。

僕はこのごろ、ガラス枚を、鋼鉄の球で衝撃して、割れ目をこしらえて、その割れ方を調べている。 はなはだばかげたことのようであるが、やってみるとなかなかおもしろいものである。  (中略) それを当てたらなんの役に立つかと聞かれると少し困るが、しかし、この話が、何か君の俳諧哲学の参考にならば幸いである。  今まで、まだやっと二、三百枚のガラス板しかこわしていないが、少なくも二、三千枚ぐらいはこわしてみなければなるまいと思っている。

粟(あわ)一粒秋三界を蔵しけり
(昭和六年十一月、渋柿)

等々である。楽屋裏話と言うより、こちらの方が「真実」に近いのではないかと思うぐらいである。
▼寅彦の観察眼はするどい!!
寅彦の人間観察の文章は特に面白い。
観察対象は人間だけでなかった。修羅万象すべてが「観察」し、「科学する」対象だったようだ。
 このころ寅彦は、実に多くの「映画」を見たようだ。
「映画」だけでない、音楽会、観劇等々にもよく出かけたようだ。自らも絵を描き、俳句、連句を詠み文学・哲学を語り、科学論文を書いていた。
まさに
 科学は文化である!!
をごくごくアタリマエに体現していた。
 ちがう角度からみると、またちがった「掘り出し物」がみつかるかも知れない。

次回は「短章 その二」を読みたい。
さあ、今日も「青空」が広がるのだろうか? 
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