8匹目のコウガイビルに出会ったが…!?
▼私は急いでいた!!
一昨日(2015/08/02)の朝は地域のクリーン作戦だった。
ナイロン袋と片手に火ばしを持って空き缶等のゴミ拾いに向かおうとしていた。予定時間より少し早めからはじまっているようだった。だから少し急いでいた。
そのときだ!!家を出てすぐのコンクリートの溝に黒くミミズのようなものが動いていた。
連日の猛暑でコンクリートは白く乾いていた。だから黒いそれはよく目だった。
近づいて持っていた火ばしでつまんで見てみた。
(゚o゚)ゲッ!! 逆三角形の頭!!
おおっ!! コウガイビルだ!!
私の人生8匹目のコウガイビルとの出会いであった。
▼コウガイビル!!
「クモ学」も面白いが、やっぱり私にとってはこれほど「ふしぎ!?」な生きものはいなかった。
エサを与えないで水だけで261日間ナイロン袋の生き続けたコウガイビル!!
それは、これまでの私の生きもの観を変えてくれた。
「再生」という生き方を教えてくれ、生命科学最前線へ私を連れて行ってくれた!!
少し大袈裟に言えば、私はこの不思議な生きものから人生そのものを学んだのかもしれない。
▼この不思議な生きものをずっと捜し続けていた。
今年の春から半年もたたない間に連続して、半径5mぐらいの範囲のなかで4匹のコウガイビルに出会った。
いずれもクロイロコウガイビルであった。
8匹目のコウガイビルもこれまでと同様にケースに入れた。
第6、第7コウガイビルのときの失敗はくりかえしたくなかった。だから小さな空気穴もフタをしておいて、時々開けるというようにしていた。
昨日、昼過ぎだ。
ケースの中を見て私は唖然としてしまった。
その姿を見たとき、咄嗟に思いだしたのが、あのダーウィンの記録だった。
私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(岩波文庫)P54より)
▼たった一日で、いや正確には数時間の間だ!!
コウガイビルの体に何が起こったのだろう。
規則正しく体液が流れ出した跡かと思わせる縞模様はなんだろう?
なにが、この変化をもたらしたのだろう?
異常なまでの高温だろうか?
フタしてをしてガス交換ができなかったためだろうか?
究極の「ふしぎ!?」
生命とは?
8匹目のコウガイビルは究極の「ふしぎ!?」を残して消えようとしていた。
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