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【お薦め本】『昆虫はすごい』(丸山宗利著 光文社新書)

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▼貴奴(コガネグモ)は、一晩のあいだにあの大きなネットの張り替えを行ったのだろうか。
「隠れ帯」がこれまでによく見てきた「八」の字に変わっていた!!
夜なべ仕事にやったのかな?
 セミの狩りをしたナガコガネグモも一晩の間に食事を終えていた。
食べかすのセミの亡骸がクズの葉の上に落ちていた。そこにハエがやってきていた。
やっぱり「クモはすごい」!!
▼朝のクモ観察から帰った私は、やっとあの本を読みはじめた。

◆『昆虫はすごい』(丸山宗利著 光文社新書 2014.8.20)

 実は、複数の友人からこの本を薦められてだいぶ以前に手に入れていた。
へそ曲がりな私は、そんな人気の本ならまたいずれ読む機があるだろうと「積ん読」状態にしていた。
これが『クモはすごい』だったら、すぐさま読んだだろうに。
 一昨日の『アリのままでいたい』のあのダイナミックな映像がまだ頭の中に残っていた。
よし!! 読むなら今だと思って読みはじめた。
▼読みはじめたらとまらなくなってしまった!!
ナルホド「クモはすごいけど、昆虫もすごい」と思いはじめた。
 いつものように3つのお薦めポイントをあげて極めて私的なこの本の紹介をする。

(1) 「昆虫」観を変えてくれる本である!!

(2) 「昆虫」研究へ誘いの本である!!

(3) 「昆虫」と「つき合っていこう」と思わせてくれる本である!!

少しくわしく
(1) 「昆虫」観を変えてくれる本である!!
 ずっと理科教師をやってきた人間でありながら、私には「昆虫少年」時代の記憶がない。
ずっと田舎住まいで、農家で育った私は、小さいころから「昆虫」たちと身近につき合ってきたはずなのだか、まったその記憶がないのである。仕事がら「昆虫」マニアと呼ばれるような人の話も聞く機会があったはずだ。
 でも、それでは「私も…」とは思わなかった。
一章「どうしてこんなに多様なのか」
二章「たくみな暮らし」
と読み進めるうちに「ナルホドそう言うことだったのか!!」
と驚くことばかりだった。
 「知っているツモリ」がいちばんくせ者だった。
ほんとはなんにも知らなかったんだ。こんな身近な隣人(!?)たちのことを!!
動物の世界の謎解きの第一方程式は「食べる」であるとずっと思っていた。
それがみごとに描かれていた。
 さらには、生きることの究極のねらい「仲間をふやす」「遺伝子をのこす」についても同様であった。
著者は最初から最後まで何度も念を押していた。

 昆虫の本能的な行動と人間の学習による行動では意味が異なるし、昆虫の種間の関係と、ヒトの個体間、集団間の関係はとはまったく別のものである。(同書P228より)

 著者の言わんとするところはわからないでもないが、やっぱり我々ヒトの行動と結びつけて考えてしまうのである。
 特に第三章「社会生活」を読んでいるとき何度も思った!!
「農業する」「牧畜する」「戦争する」等を読んでいると「昆虫はすごい」と思うと同時に「人間だけがすごい」のて゛はないと思えてくる。ヒトの行動と結びつけて考えてしまうのである。
 ともかくこれまであまり気にもとめなかった「虫たち」の世界が新鮮で驚きの世界であることがわかってくるのだった。

(2) 「昆虫」研究へ誘いの本である!!
 著者は「昆虫」研究の最前線にいる。
最前線の研究現場からの熱いメッセージがこの本には随所に込められていた。
例えば

 温暖化の影響だろうか、日本では塚を作るヤマアリが各地で絶滅し、今や風前の灯となっている。おそらくは森林生態系にも大きな影響を与えているが、残念ながらまだ誰もその現状について研究していない。(同書P127より)

 多くは地面にあることから、私はアリの巣のことを「足元にある未踏の調査地」と呼んでいる。(同書 P189より)
とにかく面白い研究対象であることは確かである。(同書 P196より)
つくづく昆虫に既成概念は通用しない。(同書P197より)

等々である。
▼最後に
(3) 「昆虫」と「つき合っていこう」と思わせてくれる本である!!
 なんでもゆっくりな私はかなりの時間をかけて、この本を読むことになってしまった。
やっと読み終えたら、すごく得をした気分になった。
 アタリマエにいる「昆虫」が如何にすごい生きものかが、わかりはじめ「新しい世界」を手に入れたような気分になったからだ。
これからは、クモだけでなく昆虫とも「つき合っていこう」と決めた!!

夕方にも再び貴奴(コガネグモ)を見に行った。
朝と同じ待機の姿勢をとっていた。
「今日はどうだった?」と訊いてみた。
 周りを見回すと、いっぱい昆虫たちがいた、ずっと前からそこにいだろうにやっと気づきはじめた。

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