【お薦め本】『梅雨前線の正体』(茂木耕作著 東京堂出版)
▼「梅雨入り」の発表があったかと思ったら、皮肉なものでいきなり青空がひろがった。
それが「梅雨」であるとも言える。
明日の天気がなかなか見えない。
それでこそ「梅雨!!」であるとも言えるのかも知れない。
大賀ハス観察池の第一号は、高くなるスピードをゆるめてふくらんできた。後につづいて第二号も葉の間から顔をのぞかせていた。「あこがれの4日間」はまもなくである。
さて、そのときの天気は!?
▼人生ではじめての「梅雨ばっかり病」!!
はまだ続いていた。
それに拍車をかける本と出会った。それが今回の【お薦め本】だ。
◆『梅雨前線の正体』(茂木 耕作著 東京堂出版 2012.6.10)
そもそもの出会いは「黄海高気圧」だった。
いままでのモヤモヤが一気に晴れる気がした。妙にナットクした!!
さっそくこれを書いたモテサクさんこと茂木耕作さんことをネット検索してみた。
「気象楽」を熱く語るモテサクさんに共感した。
本も出しておられることを知り、さっそく入手して読んだみたのだ。
▼読みはじめるとやめられなくなってしまった。
面白すぎる!!
読みはじめてからすぐこれは【お薦め本】にしようと思った。
だからお薦めポイントをチェックしながら読んだ。
読み終えたときには、なんとそのチェックポイントは26項目にもなった。
これでは話は拡散し過ぎる。いつものように3つのお薦めポイントに集約しようとした。
これがとんでもない時間がかかる作業だった。(^_^;)
(1) 私の「気象楽」への誘いの書!!
(2) 「ふしぎ!?」の研究(謎解き)する面白さを等身大に語っている!!
(3) 「「読者」は未来の共同研究者である!!」という一貫した姿勢が伝わってくる!!
重なるところもあるがなんとか3つにした。
▼ひとつずつもう少しくわしくふれてみようと思う。
(1) 私の「気象楽」への誘いの書!!
まず、モテサクさんの提唱する「気象楽」に大賛成である。
本書のタイトルは『梅雨前線の正体』。その本のはじめにこう書いてあるから驚きである。
本書の目的は、「既に暴かれている梅雨前線の正体をお伝えすること」ではありません。(本書p11)
続けてこう言っている。
つまり本書の目的は、みなさんも自分の中に「梅雨前線の正体」を作ってみませんか、というお誘いすることです。(本書p11)
ここでこの本のすべてを語っているわけだ。
これを読んで私は、一気にこの本の世界に引き込まれていった。
「梅雨前線の正体」の謎解きを楽しむには学位も資格も必要ない。必要なのは自分の「ふしぎ!?」にこだわることと謎解きを楽しむ気持ちだけだ。
とモテサクさんは言いたかったのだろう。
そして「私の場合は」「他の研究者の場合は」を紹介したのがこの本なのだろう。
最後の方に書いた言葉は示唆的である。
「こんな身近なのにこんな不思議を提供し続けてくれる相手はなかなかいないんじゃないか」(本書p141)
これは「梅雨前線の正体」に限らず言えることではないだろうか。
私には「○○学」を「○○楽」に変えていくヒントがここにあるように思える。
アカン!!止めどなくダラダラ続けそうだ。
急ごう!!
(2) 「ふしぎ!?」の研究(謎解き)する面白さを等身大に語っている!!
これは実際に手にして読んでみるのが一番だ!!
私の思い入ればかりが先行する下手な言葉で紹介するより、直に触れてみられる方がいいだろう。
語り口調がいい。等身大だ!!
けっして飾り立てることなくごくごくストレートに「ふしぎ!?」と思ったことは「不思議」と言い、「わからないこと」は「難しい」と言いアタリマエ!!に語っているのだ。
専門用語も出てくるが、けっしてそれは「わかっていること」として前に進めない。
きっとホンモノのプロだからできる技なんだろう。
まるでドキュメンタリードラマでも視ているよんな気分で読み進めることができる。
(3) 「「読者」は未来の共同研究者である!!」という一貫した姿勢が伝わってくる!!
最後はアタリマエすぎるほどアタリマエのことだが。
読者本位だ!!
本は「読者」が読むためのものであり、本の主役は「読者」であるとも言えるが、その姿勢を一貫させていた。
繰り返し随所で問うのである。
「読者のあなたはどう思いますか?」と。
これからの「学び」は「学び合い」としてしか成立しない!!
それを心得た人の言葉だと思った。
だから、「読者」は「未来の共同研究者」ととらえていた。
けっして本を買って「読んでくれるだけ」の人ととらえてはいなかった。
当然「未来の共同研究者」に対しては親切だった。
「この論文は、ここで読めますよ」
「このデータはここにあるますよ」
「この旅にはこんなルートがあるんですよ」
章ごとの「まとめ」、「参考文献の紹介」、「観測機器の紹介」、等々 それは随所に現れていた。
まだまだあるが、下手な言葉を続けるのは「蛇足」になるばかりか、ほんとうの「面白さ」を減じる紹介になるかも
しれない。これぐらいにしておく。
「気象楽」開眼!!に導いてくれたモテサクさんに感謝して終わる。
今朝はまた曇っている。
梅雨前線はどこだ!?
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