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本日(2015/05/26)、第98回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼昨日の朝の散策で私にとってはめずらしいクモに出会った。
そんなつもりでまわりを見渡してみるとずいぶんいろんな種類のクモたちが動きはじめている!!
 一昨年のコガネグモ、昨年のコガネグモ、ゲホウグモたちとの幸いな偶然の出会いからすっかり「クモ学」ファンになってしまっていた。
 さて、今年はどんなクモのどんな姿に出会えるだろう。
そう考えるだけでもワクワクしてくるのである。o(^o^)o ワクワク
▼本日(2015/05/26)は、第98回オンライン「寅の日」である。
 いよいよ100回が近づいて来る。こちらもワクワクだ!!
さて、読むのは前回に引き続き「ルクレチウスと科学」である。
 3回連続で読んできたが、今回がその最終回である。本編の第4巻~第6巻と「後記」を中心に読みたい。

◆本日(2015/05/14)、第98回オンライン「寅の日」!!

●「ルクレチウスと科学」(3)(青空文庫より)

▼これまでのところも正直言って私には難解のところ多かった。
 しかし、伝わってくる「なにか」があった!!
だからわからないけど面白い!!と思っていた。
 寅彦自身も第4巻の紹介・解説から少しスタンスを変えるということを言っていた。
 興味あるところだけを拾い読みのようにして、第6巻まで読み進めた。
そして、第6巻のはじめのあたりで次の文章をみつけた!!

 彼が雷電や地震噴火を詳説した目的は、畢竟(ひっきょう)これら現象の物質的解説によって、これらが神の所業でない事を明らかにし、同時にこれらに対する恐怖を除去するにあるらしい。これはまたそのままに現代の科学教育なるものの一つの目的であろう。しかし不幸にして二十世紀の民衆の大多数は紀元前一世紀の大多数と比較してこの点いくらも進歩していない。たとえば今のわが国の地震学者が口を酸(す)くして説くことに人は耳をかそうとしない。そうして大正十二年の関東地震はあれだけの災害を及ぼすに至った。あの地震は実はたいした災害を生ずべきはずのものではなかった。災害の生じたおもなる原因は、東京市民の地震に対する非科学的恐怖であったのである。科学は進歩するが人間は昔も今も同じであるという事を痛切に感じないではいられない。同時に今の科学者がルクレチウスから科学そのものは教わらなくても、科学者というものの「人」について多くを教わりうるゆえんをここにも明らかに認めうると考えるのである。
   この頃の寅彦は、くりかえし熱く『天災は忘れた頃にやって来る』の警鐘を鳴らし続けていたはず。その姿と重ね合わせて読むと、寅彦がいかに今日的かがわかってくるのである。

「ルクレチウス」に対する賛辞は「後記」に集中していた!!
この最大限の賛辞を読むだけでも、熱いものが伝わってくるのである。

 ルクレチウスの書によってわれわれの学ぶべきものは、その中の具体的事象の知識でもなくまたその論理でもなく、ただその中に貫流する科学的精神である。この意味でこの書は一部の貴重なる経典である。もし時代に応じて適当に釈注を加えさえすれば、これは永久に適用さるべき科学方法論の解説書である。またわれわれの科学的想像力の枯渇した場合に啓示の霊水をくむべき不死の泉である。また知識の中毒によって起こった壊血症を治するヴィタミンである。

 「永久に適用さるべき」と言っているわけであるから、「今日」も射程内に入っているわけだ。
さらに続く。

 現代科学の花や実の美しさを賛美するわれわれは、往々にしてその根幹を忘却しがちである。ルクレチウスは実にわれわれにこの科学系統の根幹を思い出させる。そうする事によってのみわれわれは科学の幹に新しい枝を発見する機会を得るのであろう。

そして、ここまで語っているのである。

 現代の科学がルクレチウスだけで進められようとは思われない。しかしルクレチウスなしにいかなる科学の部門でも未知の領域に一歩も踏み出すことは困難であろう。

▼最後に寅彦はとても興味深い「作業仮説」を立てている。

 今かりに現代科学者が科学者として持つべき要素として三つのものを抽出する。一つはルクレチウス的直観能力の要素であってこれをLと名づける。次は数理的分析の能力でこれをSと名づける。第三は器械的実験によって現象を系統化し、帰納する能力である。これをKと名づける。今もしこの三つの能力が測定の可能な量であると仮定すれば、LSKの三つのものを座標として、三次元の八分一(オクタント)空間を考え、その空間の中の種々の領域に種々の科学者を配当する事ができるであろう。

 LSKの3つの座標軸を設けて「現在地」を確認しようというのである。
これは面白い!!
 これを拝借して「私の科学」の「現在地」を確認するのもなかなか面白い作業かも知れない。

「私の科学」は今どこに!?

次の言葉は示唆的である。

以上の譬喩(ひゆ)は拙ではあるが、ルクレチウスが現代科学に対して占める独特の位地を説明する一助となるであろう。 誤解のないために繰り返して言う。ルクレチウスのみでは科学は成立しない。しかしまたルクレチウスなしには科学はなんら本質的なる進展を遂げ得ない。  私は科学の学生がただいたずらにL軸の上にのみ進む事を戒めたく思うと同時に、また科学教育に従事する権威者があまりにSK面の中にのみ学生を拘束して、L軸の方向に飛翔(ひしょう)せんとする翼を盲目的に切断せざらん事を切望するものである。 

結論が寅彦らしい言い回しで最後にあった。

また一方私はルクレチウスをかりて自分の年来培養して来た科学観のあるものを読者に押し売りしつつあるのではないかと反省してみなければならない。しかし私がもしそういう罪を犯す危険が少しもないくらいであったら、私はおそらくルクレチウスの一巻を塵溜(ごみため)の中に投げ込んでしまったであろう。そうしてこの紹介のごときものに筆を執る機会は生涯(しょうがい)来なかったであろう。

つまりは、この「ルクレチウスと科学」は、寅彦自身の「科学観」の表明なのである。
まだまだ読み解く段階にまでいたっていない。
これを機会にまた何度も「反芻読み」に挑戦してみたい。

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