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本日(2015/05/14)、第97回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼台風一過、青空がひろがろうとしていた。日射しはまるで真夏だった!!
いつもの朝の散策に出かけてみた。
 野山のいたるところで貴奴等の動きがいっぺんにめだちはじめた。久しぶりにクモの巧みなワザに見惚れてしまった。
 またこの季節がやってきた!!
 今年の「クモ学」はどこまでいくだろうか。自分でも楽しみだ。o(^o^)o ワクワク
▼本日(2015/05/14)は、第97回オンライン「寅の日」である。
前回に引き続き「ルクレチウスと科学」を読む。前回は、寅彦が「緒言」で、「ルクレチウスを読め!!」と熱く語りかけてくれいるのを読んだ。
今回から本編に入る。
本編は第1巻から第6巻まである。今回はそのうち第1~第3巻の寅彦の解説を中心に読みたい。

◆本日(2015/05/14)、第97回オンライン「寅の日」!!

●「ルクレチウスと科学」(2)(青空文庫より)

「原子論的物質観」!!
 私が長い間中学生と一緒に物質探検をしてきてもっとも大切にしてきた物質観だ。
その物質観はこれからも「有効」なんだろうか?
それがもうひとつの私の「文脈」だった。
科学者・寺田寅彦の物質観は?また、それは「寺田物理学」とどうツナガッテイルのか?
 それをこの「ルクレチウスと科学」から読み解きたいと思っていた。
本論に入ってすぐ寅彦は書いている。

わずかにこれだけ読んでも彼がいかにはえ抜きの徹底した自然科学者であるかがわかっておもしろい。現代の職業的科学者のうちには科学者の着物を着た迷信家がたくさんあるのに、二十世紀前に生まれて、エレクトロンの何であるかも知らなかったローマの詩人に、この徹底した科学者魂を発見するのはいささか皮肉である。

と。寅彦はルクレチウスに「科学者魂」をみつけていたのだ。
もう少し引用をつづけさせてもらおう。

迷信から来る精神の不安を除くべき魔よけの護符はすなわち「物質不滅の方則」である、というのである。
 現在の物理学における物質不滅則、原子の実在はだれも信ずるごとく実験によって帰納的に確かめられたものである。二千年前のルクレチウスの用いた方法はこれとはちがう。彼はただ目を眠りふところ手をして考えただけであった。それにかかわらず彼の考えが後代の学者の長い間の非常の労力の結果によって、だいたいにおいて確かめられた。これははたして偶然であろうか。私はここに物理学なるものの認識論的の意義についてきわめて重要な問題に逢着(ほうちゃく)する。

寅彦はルクレチウスに驚き、感動しているのである。 
私は「そんな昔に…」とルクレチウスにも驚き感動もするが、今はそれ以上にそれを熱く語る寅彦に惹かれるのである。
この後、「原子不滅の法則」「三態変化」「ブラウン運動」「観測の限界」「光の速さ」等々へツナガッテいく。
さらには、現在の「分子生物学」までも視野にあるのではと思われる話までおよんでいる。
▼寅彦がほんとうに真摯な科学者であった。
すべてを解説しようとはしていなかった。あくまで自らの「文脈」でルクレチウスを追っていた。
特に三巻のところでそれはよく現れていた。

 

これらの所論はルクレチウスの哲学的の立場からすれば最も重要な役目を務めるものであろうが、今の私の立場から見るとあまりに現在の科学の領域を逸出した問題である事はやむを得ない。もっとも今から百年二百年後の精神物理学者が今の私のような立場でこの巻を読めばあるいは、この巻において最も興味ある発見に出会うかもわからないという事は想像し得られる。しかし私としてはこの巻をきわめて概括的な、主としてマンローの摘要による紹介だけで通過しなければならない。これらの所説の哲学史的の意義については他の哲学書に譲るほかはない。

ここは私の守備範囲外だと言っているのだ。しかし、それは「これからも」ずっとではないかも知れないと正直に語っているのである。やっぱり、寅彦はスゴイ!!

私は思う。直観と夢とは別物である。科学というものは畢竟(ひっきょう)「わかりやすい言葉に書き直した直観」であり、直観は「人間に読めない国語でしるされた科学書の最後の結論」ではないか。ルクレチウスを読みながら私はしばしばこのような妄想(もうそう)に襲われるのである。

私は私の「文脈」でしか読めない。
寅彦も同じではなかったか?
寅彦には、私などよりももっともっと深い「文脈」があったことはもちろんであるが。

(つづく)


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