三度、寺田寅彦を訪ねて(1)
▼「寺田寅彦記念館」の庭に入るとすぐ新緑があざやかになったアオギリが迎えてくれた。
オンライン「寅の日」を2012年4月にはじめてから、寺田寅彦を訪ねての旅は今度で3回目となった。
訪れる度に、たくさんのことを学ぶことができた。
少しずつ少しずつ私のなかで「寅彦」が見えてくるようでうれしい。
昨年の秋には「寺田寅彦記念館友の会」の研修会に参加させてもらったが、総会・記念講演ははじめてであった。
▼総会に先だっての記念講演は午後1時よりはじまった。
■演題 『寺田寅彦の肩の上』
◆ 松尾 宗次 先生
「肩の上」はもちろんあのニュートンの「巨人の肩の上」のあれだった。
まずそれに納得した。
ナルホド!!と思った。寺田寅彦の「肩の上」にのれば、かなり遠くまで見渡せるだろう。
松尾先生は実に豊富な資料を元に自らの体験もまじえながら、寅彦の「肩の上」がいかに見晴らしのきくものかを熱く語ってくださった。特に寅彦がいちはやくウェゲナーの「大陸移動説」を取り入れ日本海の成因を考察していたこと。日本の結晶学の先駆者としの仕事していたことなどが印象に残った。
「肩の上」どころか足元周辺にまで行き着けていない私だが、しばらく講演内容の反芻作業を繰り返してみようと思う。深謝。
▼柏餅をいただいたあと、総会にはいった。
総会は始終なごやかな雰囲気でおこなわれていた。
総会の参加自体はじめてで、こんなにもいろんな取り組みをされているんだと感心してしまった。
この場でとてもうれしいものを手に入れることができた。
■『寺田寅彦先生と私~二十数年寺田寅彦記念館に勤務して~』( 伊藤 喜代子 著)
伊藤さんにはこれまでに訪れたときにもずいぶんお世話になっていた。
「記念館を写真におさめるときにはこのアングルがいちばん!!」
とか、庭の植物の紹介、自ら作成された「寅彦人脈インデックス」などを元にされたとてもくわしいお話、お墓の場所まで道順等々である。私などのように「寅彦」初学者にとてもありがたい案内人であった。
さっそく読ませてもらった。二十数年記念館に勤務され常にやさしい「寅彦」案内人であった伊藤さんならではの「寅彦」像がとてもあたたかい文体で語られていた。深謝。
▼今回は高知市内でゆっくりとした。
夜、「はりまやばし」まで出かけていってみた。
あのペギー葉山さんの「南国土佐を後にして♪」が流れていた。
その地下に「広場」があった。
そこでも「寅彦」を発見した!!
(つづく)
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