« 【Web更新4/5】15-14 サイエンスコミュニケーター宣言等更新!! | トップページ | 本日(2015/04/08)、第94回オンライン「寅の日」!! #traday »

コウガイビルの「ふしぎ!?」はどこまで…

Dsc_5002
Dsc_5032
▼私はここ6~7年のあいだにとても「ふしぎ!?」な三種類の生きものに出会っていた。
その生きものたちが、少しオオバーな表現をすればそれまでの生物観、生命観を変えてくれた。
 その三種類の生きものとは
・コウガイビル
・クマムシ
・ゲホウグモ
である。それらの生きものたちとの出会いは驚きと感動の連続だった。
なかでもいちばん驚くのはこの三つとも自宅の庭で出会ったことである。
 遠い外国の山中や深い海の底とかではなく、半径10mにも満たない最も身近に貴奴等は生きていたのだ!!
▼なかでも最初に出会った「コウガイビル」はほんとうに不思議な生きものだった。
私はそれまで「動物の世界」の謎解きの第一方程式は「食べる」であるとかたく信じていた。
何を食べているのだろう?
どのようにして食べているのだろう?
を考えてくとだいたいの「ふしぎ!?」は解けた。いや解けると信じていた!!
ところが「コウガイビル」はちがっていた。
なんのエサも与えず水だけ与えてナイロン袋のなかでなんと261日間も生き続けたのだ。
?(゚_。)?(。_゚)?
▼私の「ふしぎ!?」に答えてくれる一冊の本をみつけた。
■『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)
さっそく入手してみた。
「14.陸産プラナリア,コウガイビル種類・生態並びに形態分化」(同書P259~牧野尚哉・白澤康子)があった。
次のように答えてくれていた。

 コウガイビルの飼育では給餌が大切な要素となるが、餌に対しての反応は同一種内でも異なり積極的に摂取するグループとそうでもないものとがある。また長期間の飢餓に耐え、もとの体重の1/100に減少しても生存し続けることができる。このような生理的変化が、顕著な再生能をもつ本動物の器官形成にどのような影響を及ぼすのか、頭部再生の有無、形成所要時間、極性との関連について、採集直後の体重を100として、もとの30~40%に減少したグループを飢餓個体として実験を行った。  なお、飢餓個体の設定は、採集された個体のうち、何としても餌を食べないものがあり、かなりの期間絶食にも耐えられるが、やがて死に至る。体重減少と生存期間の長短は一定ではないが、採取後減少の一途をたどる体重は、ある時点で平衡状態となり、これ以降急激に減少して死ぬものが多い。体重が安定をみせる状態を越えると個体は死を迎えることから、この安定期(もとの体重の30~40%)を飢餓状態と考えた。これらの飢餓グループと採集まもないものとを次の実験により比較した。(同書「14.9 飢餓と再生」(P275より)

ある程度納得した!!
しかし、261日の「ふしぎ!?」はまだまだモヤモヤしていた。
 幸いにも後日、この本の著者渡辺憲二教授の講義を聴かせもらう機会があった。私はこういうときいつもとことんラッキーだった。
そして教えてもらった。
コウガイビルは自らのからだを「エサ」としながら、自らをつくりかえた!!「再生」したのだ!!
▼しかし、これはあくまで一例にすぎなかった。
他のコウガイビルでもそうなんだろうか。私はその後もずっとコウガイビルを追い続けていた。
 そして、人生5匹目のコウガイビルに出会った。
第5コウガイビルに出会ってから今日で10日目だ。今度はナイロン袋ではなくて半透明のケースに入れた。
じっくり観察できる!!
考えてみたら、まだじっくりとからだのつくりくも観察していなかった。
目は?口は?肛門は…?
そして、「動物の世界」の謎解き第2方程式「殖える」は…?
ケースに黒い身体の破片のようなものがいくつかできていく。これはなんだろう?

「ふしぎ!?」まだまだ続く!!
今度は何日間、「再生」を繰り返すだろう?
Dsc_5025

|

« 【Web更新4/5】15-14 サイエンスコミュニケーター宣言等更新!! | トップページ | 本日(2015/04/08)、第94回オンライン「寅の日」!! #traday »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コウガイビルの「ふしぎ!?」はどこまで…:

« 【Web更新4/5】15-14 サイエンスコミュニケーター宣言等更新!! | トップページ | 本日(2015/04/08)、第94回オンライン「寅の日」!! #traday »