三度、寺田寅彦を訪ねて(2)
▼私は、まだまだ寺田寅彦を訪ねての旅の余韻のなかにいた。
今回の旅は、「寅彦を訪ねる」とあわせて、「雲見」の旅も兼ねていた。
二日目のはじまりはすごい「雲見」だった。
前夜の「はりまやばし」まで写真を撮りにでかけたが、まともに傘もさせぬほどの暴風雨だった。帰宅してからテレビのニュースを見ていたらその日の高知市内の朝の様子がでてきたので驚いてしまった。
やっぱりだった。
▼でもどんな悪天候であっても絶対に行っておきたいところがあった。
それが「高知県立文学館」である。ここには「寺田寅彦記念室」があった。前回も前々回も訪れていたが何度訪れてもあらたな「発見」のある充実ぶりだ。
ここで半日かけてじっくりと「寅彦」に出会ってみることにした。
ここの魅力は何と言ってもホンモノが保存展示してあることだ。
書簡、絵画、愛用の楽器等々である。それらをじっくりながめているだけでも寅彦の吐息が聞こえてきそうだ。
もうひとつ気に入っているものがある。
「寺田実験室」のビデオだ。毎回何度も見ているがすばらしいビデオだ。
■「渦巻きの実験」(4分23秒)
■「割れ目と生命」(4分05秒)
■「地滑りの実験」(4分02秒)
どの作品もほんとうによくできている。
どのように作られたのだろう。
それにまで興味をおぼえてしまうほどである。
そのなかでも先日『キリンの斑論争と寺田寅彦』を読んだばかりだったので「割れ目と生命」を繰り返し繰り返し見てしまった。その論文に関する展示もあった。
▼まだまだ魅力があった。
ここには大人向けだけでなく「こども向けかいせつシート」が4つ用意されていた。
「こども向け」ということになっているが、とてもわかりやすくくわしい!!私にはピッタリだった!!
実験ができるコーナーもあった。以前は「椿の花の落下実験」だったが、今は「音さの共鳴実験」だ。
寅彦がとりわけ振動・波に興味をもっていたことに由来するのだろう。
たっぷり時間をかけて寅彦と対話している気分になってきた。
最後に、文学館オリジナル寅彦グッズ「寅彦珈琲」を手に入れた。
前回訪ねたときにオリジナルカップとともに手入れ、オンライン「寅の日」の朝には、この珈琲を飲むときめていた。前回手に入れた分がもうなくなっていた。
今回は次に訪ねてくるまでの分、たっぷりと手に入れた。これが、今回の旅のひとつの目的でもあったので大満足で文学館を後にした。
▼寅彦を訪ねての旅では定番としているコースがあった。
・寺田寅彦記念館
・高知県立文学館(「寺田寅彦記念室」)
そして、もうひとつは寺田寅彦のお墓である。父母、三人の妻とともにの墓地があった。
もう迷うこともなかった。
墓前でオンライン「寅の日」がまもなく100回になることの報告とこれからも継続することの誓いをして高知を後にした。
今回も学ぶことの多い旅であった。
「肩の上」はまだまだほど遠いが、少しは足元周辺に近づけたかも知れない。
お世話になった人に多謝!!
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