【お薦め本】『物理学はいかに創られたか 上 下』(アインシュタイン、インフェルト著 石原 純訳 岩波新書) (1)
▼いつもの定点観測地から「雲見」をした!!
やっぱり面白い!!これほど安上がりで簡単で面白い道楽はあるだろうか。
「大気の物理学実験室」では実に多種多様な「実験」が休みなく行われていた。「雲見」とはその「実験」を観察することにほかならなかった。
ここのところの大気の不安定さは、いつもに増して多様な「実験」を見せていてくれていた。昨日も空は晴れているのに雨が降っていた。「ふしぎ!?」だった。
私はなんとしても「雲見」をより楽しむためにも、もっともっと「大気の物理学」を学びたいと思っていた。
▼私には今学びたい「物理学」がもうひとつあった。「寺田物理学」である。
「大気の物理学」と「寺田物理学」、このふたつの「物理学」をより楽しむために今回の【お薦め本】を本棚からひっぱり出してきて読んでみた。
■『物理学はいかに創られたか 上 下』(アインシュタイン、インフェルト著 石原 純訳 岩波新書1939.10.30)
正直に言おう。「読んでみた」と言ってもけっしていっきょに読んだわけではない。何日何日もかけてちびりちびり読んだのである。そして、昨日やっと読み終えたのである。
だからこれはいつもの【お薦め本】と言うより、単なる私の「読了報告」なのである。
▼話が散乱しないうちに、一応いつものようにおすすめポイント3つをあげておく。
(1) 「物理学」が「謎解き物語」であることを教えてくれている!!
(2) ひょっとしたら「物理学」が面白いかも!?と思わせてくれる!!
(3) 著者、訳者がホンモノである!!
ではダラダラ話に入る。
そもそも私は、学生時代から「物理学」が大の苦手であった。一応理系であるから「物理学」は必修だったわけだが、完全な「落第生」だった。その面白さなんてまったく理解できなかった。
理科の教師になってから事情が少しちがってきた。明日の授業を成立させる必要があった。
「どうしたらわかるだろう?」「どんな実験をすればこの「ふしぎ!?」は伝わるだろう?」と考えているうちに思いだした。
「あれっ?物理って面白いんちがうん!!」と。
あんな苦手と思い込んでいた「物理」が面白く感じてきた。
中学校理科での「物理」は、この本で言えば上巻に相当するところだ。
「授業」で生徒たちと一緒に「物理」を学ぶようになって「物理」の楽しさが少しずつわかりだしても、やっぱり「相対論」「量子論」は敬遠していた。それは私には理解できぬ世界とあきらめていた。
▼それはこの本を読むときも同じだった。
実は、これまでにも何度か、この本を読むことに挑戦していた。いつも上巻の途中であきらめていた。
今回あらためて再挑戦してみてわかったのが
(1) 「物理学」が「謎解き物語」であることを教えてくれている!!
だった。上下通して、著者はこのことを繰り返し語っていた。
上巻では授業でやってきた「物理学」にツナガリがあること教えてくれていた。
私は、理科の授業は「謎解き訓練」だと思っている。だから「謎解きの手法」、「作法」、「ルール」は授業成立の重要なファクターだとも思っている。
してみるとこの本は、ある面で「物理学」授業のすぐれた指導書の役割をするのかも知れない。
(つづく)
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