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本日(2014/12/31)、第85回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼昨日、ずいぶん久しぶりにヒガンバナ定点観測地A、Bの周辺の掃除をした。
この真上に例のゲホウグモの柿の木がある。だから下手に掃除などして、ゲホウグモの環境を変えてしまってはたいへんだと思いまったく触っていなかった。枯れ葉、枯れ草で荒れ放題だった、でもこれを「荒れている」と見るかクモたちの快適環境と見るかは微妙なところであった。環境の激変とならない程度に少し躊躇しながらの掃除だった。ヒガンバナは今こそ我が天下と冬の陽光を独り占めしていた。
 日本各地のヒガンバナの今がすごく見たくなった!!
▼本日(2014/12/31)は、寺田寅彦の命日だった。
●1935年(昭和10)  12.31 転移性骨腫瘍により病没。58歳
80回忌である。
 私たちは、2014年の4月よりオンライン「寅の日」をはじめた。たまたまその年の大晦日は第23回オンライン「寅の日」と重なった。読んだのは「日本人の自然観」だった。
最晩年の10月に発表されたこの文章はすごかった。寅彦のこれまでに書いてきたことのエッセンスがすべて詰まっているように感じた。これは寅彦が後世を生きるものへの「遺言」だと思った。
そこで、この「遺言」を大晦日、寅彦の命日に読むことを定番化しうよと思った。
2013年をしめくくる第54回オンライン「寅の日」でもそのようにした。
そして、2014年をしめくくる第85オンライン「寅の日」も引き続いてそうする。

◆本日(2014/12/31)、第85回オンライン「寅の日」

「日本人の自然観」(青空文庫より)

▼実は、私は本日を想定して、数日前からこの「日本人と自然観」を読んでいた。
 ちょうど年末になって、テレビや新聞も2014年に日本で起きたことをふり返っていた。
・自然災害について
・「科学」について
・社会で起こったことについて
私はどうしても寅彦が遺してくれたこの「遺言」と重ねあせてみてしまっていた。
そう!!寅彦からのメッセージは79年たって色褪せるどころか、より切実感をもってせまってくるのである。
言っていること、すべてがきわめて今日的なのである!!
「緒言」は寅彦の自然観の表明からはじまっていた。

 われわれは通例便宜上自然と人間とを対立させ両方別々の存在のように考える。これが現代の科学的方法の長所であると同時に短所である。この両者は実は合して一つの有機体を構成しているのであって究極的には独立に切り離して考えることのできないものである。人類もあらゆる植物や動物と同様に長い長い歳月の間に自然のふところにはぐくまれてその環境に適応するように育て上げられて来たものであって、あらゆる環境の特異性はその中に育って来たものにたとえわずかでもなんらか固有の印銘を残しているであろうと思われる。

そして、まず「日本の自然」の特異性を理解せよと科学者・寅彦が説明してくれる。
そしてこうまとめる。

 これを要するに日本の自然界は気候学的・地形学的・生物学的その他あらゆる方面から見ても時間的ならびに空間的にきわめて多様多彩な分化のあらゆる段階を具備し、そうした多彩の要素のスペクトラが、およそ考え得らるべき多種多様な結合をなしてわが邦土を色どっており、しかもその色彩は時々刻々に変化して自然の舞台を絶え間なく活動させているのである。
自然の神秘とその威力を知ることが深ければ深いほど人間は自然に対して従順になり、自然に逆らう代わりに自然を師として学び、自然自身の太古以来の経験をわが物として自然の環境に適応するように務めるであろう。前にも述べたとおり大自然は慈母であると同時に厳父である。厳父の厳訓に服することは慈母の慈愛に甘えるのと同等にわれわれの生活の安寧を保証するために必要なことである。

▼私が寅彦の自然観・科学観に強く惹かれるのは、次のようなことを言ってくれているからだ。

その結果として、自然の充分な恩恵を甘受すると同時に自然に対する反逆を断念し、自然に順応するための経験的知識を集収し蓄積することをつとめて来た。この民族的な知恵もたしかに一種のワイスハイトであり学問である。しかし、分析的な科学とは類型を異にした学問である。

これぞ「常民の科学」!!
さらには警鐘「天災は忘れた頃にやって来る」を鳴らすことも忘れてはいなかった。
たとえば、昔の日本人が集落を作り架構を施すにはまず地を相することを知っていた。西欧科学を輸入した現代日本人は西洋と日本とで自然の環境に著しい相違のあることを無視し、従って伝来の相地の学を蔑視(べっし)して建てるべからざる所に人工を建設した。そうして克服し得たつもりの自然の厳父のふるった鞭(むち)のひと打ちで、その建設物が実にいくじもなく壊滅する、それを眼前に見ながら自己の錯誤を悟らないでいる、といったような場合が近ごろ頻繁(ひんぱん)に起こるように思われる。昭和九年十年の風水害史だけでもこれを実証して余りがある。

話はより具体的に「日本人の日常生活」「日本人の精神生活」へと展開する。
ナルホド合点!!と膝をたたくこと屢々である。
「科学者」「科学教育者」必読は次なる一文である。
 現在の意味での科学は存在しなかったとしても祖先から日本人の日常における自然との交渉は今の科学の目から見ても非常に合理的なものであるという事は、たとえば日本人の衣食住について前条で例示したようなものである。その合理性を「発見」し「証明」する役目が将来の科学者に残された仕事の分野ではないかという気もするのである。

引用が長すぎるのも蛇足がすぎることになるだろう。
ともかくこれだけは繰り返しておこう。
寺田寅彦は充分に今日的である。
79年の時空を超えての寅彦からのメッセージを読みながら2014年をしめくくろう!!

「ゆく年 くる年」は今年もオンライン「寅の日」で!!                                                                                寅彦80回忌の朝
                   


 

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