【お薦め本】『知的生産の技術とセンス』(堀正岳、 まつもとあつし著 マイナビ新書)
▼「知的生産」!!
なんともなつかしい響きをもつコトバだ。
私には少し気恥ずかしさともなうコトバだ。
ひそかに憧れをも抱いてきたコトバだ。
はじまりはこの本にあった。
■ 『知的生産の技術』(梅棹忠夫著 岩波新書 1969.7.21初版)
もう45年も前の話である。
あまりたくさんの本を読んでこなかった私がえらそうに言うことでもないが、これまでの人生のなかでいちばん多く繰り返し読んだ本だ。もう表紙もボロポロになってなってしまった。何度もセロテープで修理していた。そのテープも色褪せていた。このblogで 『知的生産の技術』を読む として連載したこともある。
▼梅棹忠夫へのこだわりはそれだけではなかった。
2011年3/10(木)~6/14(火)「ウメサオタダオ展」に2回(4/15、6/3)行っていた。
「知的生産」というコトバへのこだわりは間歇的にやってきた。
最近出たその本のタイトルが私を惹きつけた。それで読んでみた。
■『知的生産の技術とセンス 知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術』(堀正岳、 まつもとあつし著 小長谷有紀
監修 マイナビ新書 2014.09.30)
▼不朽の名著『知的生産の技術』のアップデートを試みたという本書はとてもわかりやすく面白かった。
ナルホド!!
と思った点は多々ある。またダラダラかきはじめたらきりがないので例によってお薦めポイント3つをあげる。
(1) 「知的生産の技術」の「不易と流行」を語っている!!
(2) 人間「ウメサオ タダオ」に追いかけている!!
(3) これからの「知的生産の技術」を提案している!!
▼最初の梅棹の提案から45年も月日がたっている。「知的生産」のための環境は大きく変化してきた。
ところが梅棹の提言したことはまったく色褪せていない。
「発見の手帳」は今なお有効!!
いや、今こそ!!なのかも知れない。それをこの著は繰り返し語っていた。
流行のなかにこそ不易を
不易なもののなかにこそ「流行」の発見を!!と語っているようだった。
章と章のあいだに「梅棹忠夫・著作紹介」というのをはさんでいる。
それがとてもいい。現代の視点で梅棹の幅広いフィールドを紹介していた。
紹介された著作を今一度読んでみようかという気にさせる。
最後には「Evernote」などをツールの紹介もしながら、これからの「アウトプット」について語っていた。大いに共感するところである。
最後の最後になぜ私がこの本を【お薦め本】としようと思ったかついて書いておく。
情報は、情報を出している人の周囲に集まってくるという経験則です。(同書 p187)
という一文をみつけたからです。
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