驚異のゲホウグモ!!この姿を見よ!! #クモ学
▼昨日は朝からいささか興奮気味だった。
「赤い月」の興奮がまださめやらぬのに、それに勝るとも劣らぬモノを見てしまったのだ。
これまで散々感動をあたえてくれたゲホウグモである。
早朝はやめに「店じまい」をしたゲホウグモは、柿の木のいちばん手前の枝を切ったところに停まっていた。
夜が明けてもそのままだった。
それはまるで「この姿を見よ!!」と言わんばかりだった。
こんな絶好のチャンスを逃すわけにいかない。私は夢中に写真を撮りまくった。
前から、横から、上から下から…。月食を上回る写真を撮った。
それにしても、なんというスゴ技だ。これはここに停まったことをすでに観察しているからこそわかるのだ。
そうでなければ絶対に気づかないだろう。完全に柿の木に「同化」してしまっていた。
これぞ擬態!!
▼この姿を遠目には観察していた。
だから伝えたいと思っていた。しかし、コトバで伝えるのには限界があった。
目の前で自分の眼で確認してこそ納得できた。
恐るべしゲホウグモ!!
「外法蜘蛛」(ゲホウグモ)の名前の由来もやっとナルホドとうなづけた。
▼この驚異のゲホウグモが昨日見せてくれたのはそれにとどまらなかった。
なんと第4の「卵のう」をつくっていたのだ。
これまでの場所からこれまた南の方に寄ってきていた。日当たりもよい場所だ。
黄色い糸が、貴奴がつくったものであることを証明していた。
柿も熟し、柿の葉もやがて枯れて落ちるだろう…。
いったいどんなつもりなんだろう?
▼あらためてこれまでの3つの「卵のう」を観察してみた。
第3「卵のう」で気づいたのは、「卵のう」を産みつけた柿の葉と枝をつなぐ「安全綱」をつけているように見えた。
この「安全綱」はほんとだろうか?
第2「卵のう」(産卵の瞬間を観察したもの)だけがなかが黒ずんでいるように見えた。
ひょっとしたら、ここから「出のう」????
第1「卵のう」、気づいてからもう一ヶ月を過ぎようとしているが何の変化もない。
この4つの「卵のう」はこの後どうなっていくのだろう。
このなかにほんとうに受精卵が入っているのだろうか?
ひょっとして無精卵???
黄色い糸の謎はまったくわかっていない。
台風が近づいている。
どうするだろう驚異のゲホウグモ???
| 固定リンク
コメント
楠田先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
ゲホウグモの擬態、あっぱれですね。
私自身、ゲホウグモを自然界で見たことがないんです。
一度、自然界で出会ってみたいです。
卵嚢のこともありがとうございます。
できた卵嚢はアシナガグモなどの仲間にも
似ているように思いました。
楠田先生の卵のうの記述をみて思ったことは
卵嚢(らんのう)というのですから、
本来は嚢になっていなければと思ったのですが
クモの中では、きちんと卵嚢になっているものは
少ないですね。きっと。
コガネグモやナガコガネグモ、トリノフンダマシ
の仲間、ヒメグモ類などは、糸でつくった嚢で
頑丈に?多くの卵がおおわれていますね。
徘徊性のクモでは、コモリグモなども、嚢で
おおわれています。
卵嚢のつくりからも、クモの進化の様子が
うかがえるのでは?とも思いました。
そんなに単純ではないかもしれませんが。
これからのゲホウグモの動静が楽しみです。
投稿: 鈴木勝浩 | 2014/10/11 06:44
鈴木勝浩さん
いつもコメントありがとうこざいます。
鈴木さんでも見たことないようなものを見ているのかと思うとなおさら興奮してきます。(^^)V
この偶然の出会いに感謝です。
ずっと「クモ」のこと教えてもらってきたおかげでもあります。この奇遇を生かさねば…。
今朝は、その場所にまだ戻ってきていません。ひょっとしたら昨日だけだったのかも知れません。
だとしたら写真撮りまくってよかった。
「卵のう」の面白いですね。
そう言われる夏に出のうした「卵嚢」はちゅんと「嚢」になっていたように思いますね。
「卵嚢」をつくるための糸がクモの糸のはじまりなんですよね。
クモの進化の話はとても興味深いですね!
これからもいろいろ教えてください。<(_ _)>
台風で落ちてしまわないか心配です。
投稿: 楠田 純一 | 2014/10/11 07:18