サイエンスコミュニケーター宣言(342)
▼確かに先端が伸び縮みした。そして動かなくなってしまった。
せっかく再会したコウガイビルであったが、今回は再会からわずか11日目にして死んでしまったのだろうか。
最初に出会ったやつはエサなしで261日間もナイロン袋のなかで生き延びたというのに。
今回はちょっと条件が悪かった。
いきなり2つに切断してしまったのだから。申し訳ない。
動かなくなったその姿をよく見ていると、あの特徴的な三角形の頭(コウガイ)が「再生」してきているようにも見える。
この11日間のあいだにも、自らの身体をエサにして「作りかえ」を繰り返していたのだろうか。
▼「動物は食べる生きものである」
これが、私にとっての「高いレベルの科学」であった。
その謎解きのルール・法則の例外があった。それがコウガイビルであった。
261日間も食べなかった。
しかし、それはほんとうは「例外」ではなかった。
自らを食べていたのだから。
点在する幹細胞そして「再生」!!
「動物は食べる生きものである」のルールは、私をより「高いレベルの科学」へと連れて行ってくれた。
▼私自身の「文脈」をもう少し整理してみよう。
・理科の授業こそサイエンスコミュニケーション最前線の現場である。
・理科の教師は最前線のサイエンスコミュニケーターである。
直接的に授業に携わることがなくなっても、この立場は変わらない。
だからこそ、理科の授業から生み出される「高いレベルの科学」は今もなお最大の関心事である。
私にとっての「高いレベルの科学」とは!?
の自問は永遠に続くだろう。
▼他の人の「高いレベルの科学」に出会うことは、実に面白いものである。
「目から鱗」である!!
一時間の授業のなかで新たな「高いレベルの科学」が生まれる瞬間を記録をしたような実践記録を読ませてもらうとハッとする。自分の拙さを実感する。
そして、自分の「高いレベルの科学」がおすそ分けもらって豊かになったような気分になる。
やっぱり面白い!!
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