クモは「待機の哲学」を持っている!!
▼2014/07/22の朝。
私『おはよう!!』
貴奴『ああ、またおまえか…』
私『あれ?今日はギザギザいや「隠れ帯」ないね。』
貴奴『ああ、もう今日はいらんねや。』
私『どうしてなん?』
貴奴『まあ、それはおまえが考えてみんかい。ところで毎日毎日ひつこいやつやな!!なにをしているんや?』
私『観察をさせてもらっているんや!』
貴奴『ひまな奴やな。』
私『楽しみなんやこれが!ところで君は毎日じっとこうして何をしてるん?』
貴奴『バカか。おまえは!なんでいつもそんなアタリマエのこと聞くねんや。』
私『?(゚_。)?(。_゚)?』
貴奴『待っているや!!それ以上は言わんでもわかるやろ!』
私『はあ!…』
▼後で考えてみると、なんという愚問だ!!
貴奴等は用意周到に準備して「そのとき」を待っているのだ。
獲物を待っているのだ!!
「そのとき」のために全エネルギーを集中して「待機」しているのである。
「そのとき」の俊敏さ、巧みな技はすでに見せてもらっていた。
エネルギーを温存して「待機」しているのである。
貴奴等の生涯は「待機」に費やされるのである。
「待機」こそ貴奴の思想であり哲学だった!!
▼私『ところで、もうひとつ聞きたいことあるんやけど。』
貴奴『なんやまだおまえおったんか。そこに長いあいだおってもらったら邪魔になるんやけどな。』
私『あっスミマセン!ではこれだけ。ほんこのあいだ19日まで君等のなかま8頭も姿をみせてもらっていたんやけど、今は3頭になってしまったねん。他の仲間はどこへいってしまったやろ?』
貴奴『他の奴のことはようわからんな。どっかに引っ越ししたんやろな。』
私『へえー、そういうように定期的に引っ越しするものなん?』
貴奴『それは条件しだいやろ。もっと待つのにいい条件のところがあれば…』
貴奴『それに年をとってくれば次のことも考えなあかんしな。まあよう捜してみたら、若いやつがまたみつかるかもしれへんで…』
私『ありがとう。そしたらまた…』
▼とんだ長居をしてしまった。
その場所でふりかえったら名も知らぬ虫がいた。
こいつにもやっぱりこいつの「哲学」があるんやろか。
貴奴の言ったこと思い出しながらより注意深く草むらを見ながら歩いた。
ナガコガネグモが目立つようになってきている。
同じナガコガネグモでも若い(幼い)コガネグモの「隠れ帯」は、大人のそれとは違っていた。
「隠れ帯」の意味もまたちがってくるのかも知れない。
そして貴奴の言っていたように若いコガネグモらしきものもみつけたのである。
貴奴の言うことは正しかった。
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コメント
楠田先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
先生のご報告を拝読し、いくつか疑問が・・・。
いったいコガネグモはどのような頻度で
網の更新を行うのでしょうか?
毎日?それとも?
隠れ帯だけ、かえることがあるのか?
居場所(造網場所)も、ひんぱんに
かえるものなのか?
これは、クモにマーキングを
するなりしないと、わからないですが・・・。
それでは、また。
投稿: 鈴木勝浩 | 2014/07/23 05:47
鈴木 勝浩さん
コメントありがとうこざいます。
ここにできるようになったんですね。うれしいです。(^^)V
これでいろいろ教えてもらえます。
よろしくお願いします。
>いったいコガネグモはどのような頻度で
網の更新を行うのでしょうか?
昨年と今年の観察からだけですが。
毎日ということもあるし、そうでないときもあるように思います。今朝は明らかに昨日夕方見たものと変わっていました。間近で観察できるのはこの一頭だけとなりましたので、できるだけ毎日こいつの姿を見ていただこうと思っています。
> 隠れ帯だけ、かえることがあるのか?
そうかも知れません。補強調整のためやっているかもしれません。
>居場所(造網場所)も、ひんぱんに
かえるものなのか?
これもこれまでの観察からだけですが、引っ越しはするようです。ただし引っ越しをして元に戻ってくるということはないように思います。
どのぐらい期間で引っ越すのかはっきりはわかりません。いろいろあります長いので20日近くいたやつもあったように思います。
コガネグモの場合は、もうそろそろ活躍の時期がすぎるのかも知れません。どこへ行ったんだろう???
今日届いた『クモの生物学』に少し「引っ越し」の書いてあるようです。
読んでみたいと思います。
では、また…
これは、クモにマーキングを
するなりしないと、わからないですが・・・
投稿: 楠田 純一 | 2014/07/23 19:02