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本日(2014/05/19)、第66回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼空では繰り返し大気の物理実験が続いていた!!
ずっとずっと昔から続けられていたが、似通った実験結果はあってもまったく同じという結果はけっしてなかった。
そう思うと見逃すまいという気がしてくるのだった。
 また、その「実験結果」をより豊かに読み解く「科学の眼」を持ちたいと切に願うのである。
▼そもそもその「科学の眼」とはいかなるものか。
「科学」とは?
「科学的」とは?
「研究」とは?
等を寅彦に聞いてみるのが、5月オンライン「寅の日」のテーマ。
第66回目の本日は、「学位について」である。

◆第66回オンライン「寅の日」

●「学位について」(青空文庫より)

▼結論から言う。それは寅彦を読むたびに思うことだった。
「寺田寅彦は最も今日的である!!」
今回の文章が書かれたのは昭和9年(1934)だ。つまりちょうど今から80年。
けっして一ヶ月や一年前に書かれたものではないのだ。それなのに数週間前に書かれたとものと言われても納得してしまいそうだ。それはなぜなんだろう?
冒頭の「学位売買事件」は、書かれた前年昭和8年の末に起きていた。
「学術論文」についても次のように述べていた。

学術的論文というものは審査委員だけが内証でこっそり眼を通して、そっと金庫にしまうか焼き棄てるものではない。ちゃんとどこかの公私の発表機関で発表して学界の批評を受け得る形式のものとしなければならないように規定されているのである。それで、もしも審査に合格したある学位論文が、多くの学者の眼で見てなんらの価値がないものであったり、あるいは明白な誤謬(ごびゅう)に充ちたものであったとしたらどうであろう。

また、危惧することとして次のように述べていた。

 科学の進歩に伴う研究領域の専門的分化は次第に甚だしくなる一方である。それは止むを得ないことであり、またそういう分化の効能が顕著なものであるということについては今更にいうまでもないのであるが、この傾向に伴う一つの重大な弊は、学者が自分の専門に属する一つの学全体としての概景を見失ってしまい、従って自分の専門と他の専門との間の関係についての鳥瞰的認識を欠くようになるということである。それだけならば、まだしもであるが、困ったことには、各自が専門とする部門が斯学(しがく)全体の中の一小部分であることをいつか忘れてしまって、自分の立場から見ただけのパースペクティヴによって、自分の専門が学全体を掩蔽(えんぺい)するその見掛け上の主観的視像を客観的実在そのものと誤認するような傾向を生ずる恐れが多分にあるのである。平たく云えば、自分の専門以外の部門の事柄がつまらなく、自分の専門だけが異常に特別に重大に見えて来るのである。

▼そして学位についての寅彦の考えを述べていた。

学位というものは決してやり惜しみをするような勿体ないものでも何んでもないのであってただ関係学科に多少でも貢献するような仕事をなにか一つだけはした人間だという証明書をやるだけのことであって、その人がえらい学者であり何んでも知っているという保証をつける訳でもなんでもないのである。場合によってはむしろ反対にその専門中のある専門以外のことは何も知らないという免状になることすら可能なのである。
 学位に関するあらゆる不祥事を無くする唯一の方法は、惜しまず遠慮なく学位を授与することである。一日何人以上はいけないなどという理窟はどこにもない。百人でも千人でも相当なものであれば残らず博士にすればよい。それほど目出度いことはないのである。そうすれば学位に対する世間の迷信も自然に消滅すると同時に学位というものの本当の価値が却って正常に認識されるであろうと思われる。

80年の時間が経って、その世界の事情に詳しくない私などからすると、本質的な問題は今もまったく変わっていないところがあるのではと思ってしまうのである。
 そして、寅彦の言葉はきわめて示唆的に響くのである。

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