【授業】天気図に挑戦しよう!!(1)
▼いつもの定点観測地に立ち、雲のない空の「雲見」やった。
青空がひろがる。同じ青空でも微妙に季節によって違いがあるように感じるのは、光の量と角度の問題だろうか。
「太陽光から90度の青空がもっとも濃い青空!!」とは先日教えてもらったばかりだった。
「雲見」のあと「蜘蛛見」だった。ヘタクソ駄洒落だ!!
師走に入ってもまだ金柑の木に巣をはったジョロウグモ、確認できるだけで3匹いる。昨日は背中でなく腹部を見せてくれいた。この陽に当てる方向を背にするか、腹にするかは何によってきめているのだろう。
小さな「ふしぎ!?」がうまれてきた。
▼授業では「天気の変化」の学習が大詰めだった。
ここで天気図を書くことに挑戦してみることにした。
私はこの「天気図を書く」という作業は、この単元をまとめるのにきわめてすぐれた教材であると信じている。
確かに時間がかかる作業ではあるが、そのぶん得るものも多い!!
パーフェクトなものをめざす必要などまったくない。
作業を試みるところに大いに価値があると思っている。
▼さて、この「天気図」なるものは、いつごろ誕生したものだろう。
例により科学史をふり返ってみる。
この画期的な「天気図」を世界ではじめて書いたのは、ドイツの気象学者ハインリッヒ・ブランデスであると言われている。
●1820年 ハインリッヒ・ブランデス(独)、1783年のヨーロッパ各地の気圧・気温・風の分布を表す「天気図」を発表
まだ200年もたっていないんだ。
人類はもちろん太古より、この天気の変化とつき合ってきたのであり、その歴史から考えると比較的最近のことであるといえる。
いつも基準にしている
●1831年 ファラデーの「電磁誘導」発見
から10年ほど前の話である。
▼そのハインリッヒ・ブランデスは、この「天気図」を発表する前(1816年)に物理学及び化学年報の編集者ジルベルト宛の手紙のなかで次のように語ったという。
こうしたチャートは奇妙なものに思われるでしょうが、私は人々がやがて、この考え方をさらに発展させると信じています。…青空、薄い雲や濃い雲、それに雨や風の動きなどをあらわしているヨーロッパの356枚のチャート…さらに温度を示す何枚かの図は見る人にとって少なくとも気象表よりもずっと楽しく、教訓にみちたものであることは確かです。(『天気図の歴史』斎藤直輔著 東京堂出版 p14より)
見えない大気の動きを「見える化」する試みだったわけだ。すごい画期的発明だ!!
天気の変化が「科学」になった瞬間だ。
ブランデスの夢はもちろん直線的に今日につながったわけではない。
なにしろ1820年と言えば情報をやりとりする手段さえ、きわめて限られていたのだから。
今日ではコンピュータで多くの情報処理し、この「天気図」も描いてしまう時代だ。
だからこそ、なおさらブランデスの夢を追体験する試みもあながち無駄ではないような気がするのだ。
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