【授業】電気学事始めを考える!!(2)
▼裏山から吹き下ろす風がほんと冷たくなっていた。
冷たい師走の風は乾燥していた。屋外の「雲見」も楽しいけど長時間はつらい季節だ。
しかし、それは「静電気」の学習にはおあつらえ向きの季節でもあった。
朝一番の授業では、「電気くらげ」がけっこう浮かんでいた。
▼電気学事始めをつづける。
新任まもないころの定時制高校での授業参観。
教師は天井の蛍光灯をさして言った。(夜間だからその蛍光灯はついていた)
『あの蛍光灯を、今下敷きこすって発生させた静電気でつけることができるか?』
一瞬間があった。
そして大激論がはじまった。
もうそれから40年近くの年月がたつが、そのシーンを鮮明に憶えている。
それから10数年たったころ、このときのことと「電気学事始め」の実践について書いた記録がある。
▼その後も、学指導要領がかわり、教科書が新しくなる度に、若干の軌道修正もしあたらしい実験も取り入れもしてきたが、大筋において私の「電気」のシナリオはかわらなかった。
電気学事始めの授業は「静電気」から入るというプランである。
それは、化学変化の学習を「はじめに原子ありき」の授業からはじめるのと同じである。
後になって、実は「正体は…」と持ち出すのでなく
最初から「原子」「周期表」を持ち出して、それを使って物質探検をしていくのである。
それと同様に使える「電気の学習」のためには
・はじめに静電気を
・はじめに電子ありき
の方がうんとスムーズなつながりになると思うのだが。
▼現行の学習指導要領を見てみる。
◆新学習指導要領 第2章 各教科 第4節 理科
では次のようになっている。
(3) 電流とその利用
(略)
ア 電流
(略)
(エ) 静電気と電流
異なる物質同士をこすり合わせると静電気が起こり,帯電した物体間では空間を隔てて力が働くこと及び静電気と電流は関係があることを見いだすこと。
最後になって「静電気と電流」の関係を見出して、それは使いものになるだろうか。
授業は私の「ふしぎ!?」からはじめて、それを「私の科学」につなげていく営みである。
一生使いものになる「私の科学」をどこまで生み出すことができるかだ。
ゆっくり ゆっくり 急ごう!!
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