新・「自由研究」のすすめ試論(66)
▼貴奴(コガネグモ)と出会って12日目の朝。
夏休みの初日だった。貴奴のことで少しだけわかりだしたことがあった。
それはあの巧妙なネットの更新についてである。目印にと思って記録していた一昨日の「白い帯の跡形」であるが、それはすっかり消えていた。
明らかに夜のあいだにネットは張り替えられていたのである。想像していた以上の頻度でネットの更新がおこなわれているのである。それが一日一回の頻度であるのか、それとも「狩り」の現状に応じてもう少し融通性のあるものなのかについてはもう少し継続した観察の必要があるようだ。
昨日の朝、またしても貴奴は「狩り」をしていた。「獲物」はやはりセンターにもってこられていた。
貴奴のモーニングタイムだった。これまでにくらべて長い時間じっくりと観察できた。
いろんな角度から観察した。「獲物」がなにであるのかまだよくわからない。コガネムシの仲間のようにも見えるが…?一昨日と同じように「小さな生きもの」が集っていた!!それも一昨日に比べるとうんと数は多かった。
やっぱり脚を器用に使い「獲物」を回していた。脚の動きもじっくり観察することができた。
そこで、とんでもない「仮説」を思いついた。
食べているのは、捕獲した「獲物」でなく、この集っている「小さな生きもの」の方ではないのか。
つまり「獲物」をおとりにして、「小さな生きもの」を集めて食べるという、きわめて高等な「狩り」をしているのではないかという仮説だ。
だから、「獲物」(おとり)が回転するたびに、「小さな生きもの」は、場所をすばやく移動しているように見える。
この「仮説」を裏付けるためには、もっともっと繰り返しの観察が必要なようだが…。
▼昨日は、大賀ハスの定例観察日でもあった。
大賀ハス蓮根の植え替えから、16週目であった。観察池は高く大きくのびた葉の天下であった。
これまでは高くのびていた花托はもう隠れてしまっていた。それは葉が成長したからだけでないような気がする。
花托の子房部があまり膨らんでいないから、そこへは水や栄養はあまりされていない。従って花托が葉のジャングルからとびだしてのびるということもないのでないかと考えられる。
収穫できる種子は何粒だろう?
▼昨日は、まだもうひとつ「ふしぎ!?」を追っていた。
ファラデーラボのかがくカフェ「日本列島のかがく」の日だった。
淡路島に行った。18年前の記憶を呼び覚まそうとするが…。
日本列島「動く大地の物語」の「ふしぎ!?」はあらゆる地形・石ころ・化石に記録化されている。
その記録化されたものを読み解こうとするが、私の小さな「ものさし」ではなかなか困難な作業である。
私の等身大「ものさし」だけでは、時空間が巨大すぎるのである。
困難ではあるが面白い!!
これも ゆっくり ゆっくり 急ごう!!
▼いきなり「あれもこれも」の一日になってしまった。
しかし、一見バラバラのように見える「ふしぎ!?」も、どこかでツナガッテイル!!
そう思っている。
熊楠は言った。
ツナガッテイル、交わっている「萃点」からはじめよ!!と。
では
「ふしぎ!?」の「萃点」とはなんだ?
今日も貴奴のところに出かけることからはじめてみようと思う。
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コメント
楠田先生、毎日ありがとうございます。
続きを楽しみにしております。
投稿: 鈴木勝浩 | 2013/07/22 07:25
鈴木勝浩さん
コメントありがとうございます。
今日2013/07/22も3回見に行きました。
朝も夕方も狩りをしていました。どうも想像以上によく狩りをしているようですね。
ネットの更新もほぼ毎日やっているようです。
クモの世界はまだまだ「ふしぎ!?」がいっぱいです。
投稿: 楠田 純一 | 2013/07/22 18:34