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【授業】21世紀の学問は「読み!書き!「原子論」!」から

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▼昨日もともかく暑かった!!日射しもきつかった。
「雲見」の一方で地上に目をやった。定点観測地Aのヒガンバナは地上最期の姿だった。
これで雨がふれば、朽ち果てた葉の残骸は流されていくだろう。
地下の球根で今なにが起こっているだろう?
どんな物質の変化がおこり、どんな生命の営みが繰り返されているのだろう?
それが妙に気になってしかたなかった。
▼大先達である田中実先生は最晩年、「中学生・高校生向き」にということで
◆『原子の発見』(田中実著 ちくま少年図書館43 1979.8.25)
を書かれた。
その著の最後を次の文章でしめくくっておられる。

二〇〇〇年以上ものながい間、科学者たちが探求をつづけた原子が、ついに仮説ではなくなって、原子の秘密がつぎつぎにわかってきた話を、わたしは原爆の悲劇でおしまいにしたくない。なぜなら二〇世紀がはじまって約八〇年のあいだに、科学者は原子についてたくさんのこと発見し、太陽や地球から銀河系までの宇宙、その宇宙のなかに生まれた生命、つまりは自然の全体の姿を科学の目によってとらえることに成功しつつあるからだ。 また原子について発見した知識は、工業、農業、医学など、すべての技術に応用されて、人間の生活を根本から変えて、一九世紀の人びとには予想もつかなかったあたらしい文明がひらかれようとしているからだ。 しかしこれらの科学や技術のあたらしい進歩については、読者のみなさんが学校で学んだり、本でしらべたりできるので、『原子の発見』の物語は、このへんでおしまいにすることにしよう。(同書 P214より)

それから34年が経った。
21世紀の今、「原子」の眼で物質を見るということはどんな意味があるのだろう?
原子論的物質観はどこまで有効なのだろうか?
▼「物質の出入りがなければ質量は保存される」という「質量保存の法則」の実験3題の授業をやった後だった。
ひとりの生徒が教卓に近くへきて言った。
「なんでか、いまやっていることものすごくよくわかるねん!」
「そやけど、私、他のところやりだしたらあかんねん…」
最初何を言っているのかよくわからなかった。
ただ「今、やっていることがわかる」と言ってくれていることがうれしかった。
きっと「原子」が見えてきているんだろうと思った。
あとで考えてみると、他の分野の勉強に入ったとき、こんなにわかるだろうかという不安を言いたかったのだろう。
▼「それは大丈夫や!」と生半可な応答だけになってしまった。
申し訳ないことをした。今なら言える。
「原子が見えてきたのなら大丈夫や!!」と。

「生命」「エネルギー」「地球」「宇宙」の学習もすべてはこの延長線上にあるものなんや。
学習だけでない、「くらし」もそうなんだ。
少し大風呂敷ひろげて言おう。
21世紀の学問は「読み!書き!「原子論」!」から始まるんだ!!

ヒガンバナの地下の生命の営みも「原子論」で見たら見えてくるだろうか?

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