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本日(2013/06/17)、第37回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼今、私の大賀ハス観察池は大ピンチである。
アブラムシの大量発生である。アブラムシは師管に口針を射し、「甘い汁」を吸い取ってしまうという。
なんと いうことをするのだ。今年いちばんに伸びて来た花芽は「あこがれの4日間」をむかえることなく無残な姿となってしまった。そこへ突然やってきた正義の味方、テントウムシ君だ。
第三の大賀ハスの蕾にとまり忙しく動いてくれた。3~4日同じところにいた、食べても食べても増え続けるアブラムシに飽きたのか昨日の朝消えた。夕方になると今度は別の蕾、葉にテントウムシの幼虫が現れた。
どうしてわかったのだろう。ここにご馳走があることを…。
そもそもアブラムシはどこからなにを察知してここにやってきたのだろう。
もうどの蕾にも「あこがれの4日間」は訪れないのだろうか。
あらためて思う。
私はあまりにも虫や花のこと知らなすぎると。
ピンチはチャンスかも知れない。
目が離せない大賀ハス池の観察をつづけよう。
▼本日(2013/06/17)は第37回オンライン「寅の日」だ。
予定していた「からすうりの花と蛾」の話も、ちょうど花や虫、鳥たちの話だ。
寅彦の観察眼と表現力だとこうなるという典型の文章である。
6月のテーマである「生命と時間」にも注目しながら読んでみたい。
◆第37回オンライン「寅の日」
●「からすうりの花と蛾」(青空文庫より)
▼大賀ハスの開花には「ふしぎ!?」がいっぱいあった。
なんで「あこがれの4日間」は「4日間」だけなんだろう?
みごとに定刻になると花ひらきはじめるのだろう?(どんな目覚まし時計を持っているのだろう?)
昼を過ぎると閉じ始める。そしてその翌朝に開きはじめる。その機械的からくりは…?
寅彦も「からすうりの花」でそれに注目していた。

 毎日おびただしい花が咲いては落ちる。この花は昼間はみんなつぼんでいる。それが小さな、かわいらしい、夏夜の妖精(フェアリー)の握りこぶしとでもいった格好をしている。夕方太陽が没してもまだ空のあかりが強い間はこのこぶしは堅くしっかりと握りしめられているが、ちょっと目を放していてやや薄暗くなりかけたころに見ると、もうすべての花は一ぺんに開ききっているのである。スウィッチを入れると数十の電燈が一度にともると同じように、この植物のどこかに不思議なスウィッチがあって、それが光のかげんで自働的に作用して一度に花を開かせるのではないかと思われるようである。

それが、空の光の照明度がある限界値に達すると、たぶん細胞組織内の水圧の高くなるためであろう。螺旋状(らせんじょう)の縮みが伸びて、するすると一度にほごれ広がるものと見える。それでからすうりの花は、言わば一種の光度計(フォトメーター)のようなものである。人間が光度計を発明するよりもおそらく何万年前からこんなものが天然にあったのである。
それは「花」だけでない「虫」たちもそうだという。  
からすうりの花がおおかた開ききってしまうころになると、どこからともなく、ほとんどいっせいにたくさんの蛾(が)が飛んで来てこの花をせせって歩く。無線電話で召集でもされたかと思うように一時にあちらからもこちらからも飛んで来るのである。これもおそらく蛾が一種の光度計を所有しているためであろうが、それにしても何町何番地のどの家のどの部分にからすうりの花が咲いているということを、前からちゃんと承知しており、またそこまでの通路をあらかじめすっかり研究しておいたかのように真一文字に飛んで来るのである。
寅彦に例のセリフ「ねぇ君、不思議だと思いませんか?」で問いかられている気分になってくる。 ▼例の如く次々と話は発展する。 そして、
花というものは植物の枝に偶然に気まぐれにくっついている紙片や糸くずのようなものでは決してない。われわれ人間の浅はかな知恵などでは到底いつまでたってもきわめ尽くせないほど不思議な真言(しんごん)秘密の小宇宙なのである。
と語り、「天然」と「科学」ついて次のように述べる。
 われわれが存在の光栄を有する二十世紀の前半は、事によると、あらゆる時代のうちで人間がいちばん思い上がってわれわれの主人であり父母であるところの天然というものをばかにしているつもりで、ほんとうは最も多く天然にばかにされている時代かもしれないと思われる。科学がほんの少しばかり成長してちょうど生意気盛りの年ごろになっているものと思われる。天然の玄関をちらとのぞいただけで、もうことごとく天然を征服した気持ちになっているようである。科学者は落ち着いて自然を見もしないで長たらしい数式を並べ、画家はろくに自然を見もしないでいたずらにきたならしい絵の具を塗り、思想家は周囲の人間すらよくも見ないでひとりぎめのイデオロギーを展開し、そうして大衆は自分の皮膚の色も見ないでこれに雷同し、そうして横文字のお題目を唱えている。しかしもう一歩科学が進めば事情はおそらく一変するであろう。その時にはわれわれはもう少し謙遜(けんそん)な心持ちで自然と人間を熟視し、そうして本気でまじめに落ち着いて自然と人間から物を教わる気になるであろう。そうなれば現在のいろいろなイズムの名によって呼ばれる盲目なるファナチシズムのあらしは収まってほんとうに科学的なユートピアの真如(しんにょ)の月をながめる宵(よい)が来るかもしれない。  ソロモンの栄華も一輪の百合(ゆり)の花に及ばないという古い言葉が、今の自分には以前とは少しばかりちがった意味に聞き取られるのである。

と言われれば
二十一世紀の今、私の「科学」の「現在地」を確かめたくなってくるのである。

さあ、あのテントウムシの幼虫は朝から精を出しているだろうか。
今日一日の大賀ハス観察池の展開は…???。

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