【お薦め本】『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』(岡本 真著 講談社現代新書)
▼「雲見」をしていると、「ああっ!この空を残して置きたい!!」と思う空や雲に出会うことがあります。冬至の日の昨日、日の出の位置を確認したくて待っているときの空がそれであった。
考えてみると「雲のかお」というのは、そのように特別に思わなくてもいつも一回性であり、ふたつと同じ「かお」はないのだ。大気の物理実験室でおこなわれる一回性のアートだ。
▼今年最後になるであろう【お薦め本】の紹介をする。
■『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』(岡本 真著 講談社現代新書 2012.12.20)
まず私ごとから、著者の岡本 真さんは、私がTwitterをはじめたとき(2009.9.23)に二番目にフォローし、フォローしてもらった人なんだ。つまりは岡本さんたちの案内でTwitterを使い始めたんだ。それまでにも『これからホームページをつくる研究者のために』(岡本真著 築地書館 2006.08.10)からも多くを学ばせてもらっていた。
▼だから新刊が出るときいて予約し待っていた。
本が着くなりいっきょに読んでしまった。期待どおりだった!!
本自体が<伝わる>ことを意識して、ひじょうに読みやすくなっている。
読みやすくする工夫がいろいろある。行間がしっかりとってある、段落ごとにスペースがいっぱいある。
特に言いたいことは枠をつけてまとめてある。
それこそまるでWebページを見ているような感覚で読める。本でも読まれなければ、<伝わる>ことはないのだから、そのメッセージをこの本自体で証明しようとしているかのごとくである。
「Yahoo!知恵袋」の生みの親だけのことはある。Webの現場を知り尽くしたプロなんだ。
プロはやっぱりわかりやすく、具体的である。
この本のタイトル<伝わる>について、
「伝える」(「伝えた」)ではなく、「伝わる」(「伝わった」)です。
「え」と「わ」のほんの1文字の違いですが、この1文字の違いを意識するかしないで、得られる結果はまったく変わってきます。(同書 P40より)
納得である!!
▼読んでいて、さっそく自分もあらためようと思ったことがいっぱいある。
たとえば
「本日」の表記の仕方である。
ごく最近使ったので言えば、
「本日、第22回オンライン「寅の日」 #traday」というblogのタイトルだ。これでは、後から見れば自分でも「本日」がいつのことかわからない。本当は後からでも「一緒に読みましょうよ!」と呼びかけているのに、<伝わって>いない。
次回から変えようと思った。
これはたとえばの話で、この本にはこんなことがいっぱい書いてあるのだ。
Webならでは表現術が。
私はずっと「情報は発信するところに集まる」と言い続けてきた。
そして最近は加えて
「情報は交叉するところに生まれる」と思っている。
「交叉」するためには<伝わる>コミュニケーションがなければならない。
これから<伝わる>情報を
Web発信をしようと思う人にとっては必携・必読の書である。
(今、発信する前に、一度自分で「音読」してみた。これもこの本から教わったこと!!)
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