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本日、第22回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼昨日の「五右衛門」は妙におとなしかった。いつもだったら、足音でわかるのか縁側の水槽にちかづくとゴソゴソ水槽の壁をよじ登るようにしてエサをねだるのに、昨日はそうではなかった。まさか死んでしまったのではと心配になって水槽をのぞいてみた。「五右衛門」は預かりものの亀だ。長男が飼っていたものをしばらくということで居候をしているのである。眠っているだけのようだ。「鶴千年 亀万年」で、千年、万年は極端にしても野生の動物としては寿命は長いようだ。「五右衛門」の寿命のことを考えているとまたしても、ここ最近の私の究極の「ふしぎ!?」に行き着いてしまった。それは「生命と時間」の不思議である。
エサなしで261日間ナイロン袋の中で生き延びたコウガイビルの「生命と時間」
ピンチになると「乾眠」をして時間を止めてしまうクマムシの「生命と時間」
「あこがれ4日間」だけ咲く大賀ハスの「生命と時間」
まるで「目覚まし時計」がセットされているようなヒガンバナの「生命と時間」
あげればきりのないぐらい「生命と時間」は「ふしぎ!?」なんである。
▼寅彦ならきっとこの不思議について書いているだろうと思っていた。
あった!!それを読むのが今日のオンライン「寅の日」だ。
●第22回オンライン「寅の日」
・「三 身長と寿命」(「空想日録」より) (青空文庫より)
 「空想日録」は4つのエッセイからなる、。それぞれ関連しそうなところもあるが、今回は「身長と寿命」に焦点をあてて読むことにする。
 書かれたのは1933年(昭和8)、寅彦が亡くなる前々年である。
▼いつものようにみごとな展開で、「生命と時間」の不思議にせまっていた。

 時間の長さの相対的なものであることは古典的力学でも明白なことである。それを測る単位としていろいろのものがあるうちで、物理学で選ばれた単位が「秒」である。これは結局われわれの身近に起こるいろいろな現象の観測をする場合に最も「手ごろな」単位として選ばれたものであることは疑いもない事実である。いかなるものを「手ごろ」と感ずるかは畢竟(ひっきょう)人間本位の判断であって、人間が判断しやすい程度の時間間隔だというだけのことである。この判断はやはり比較によるほかはないので、何かしら自分に最も手近な時間の見本あるいは尺度が自然に採用されるようになるであろう。脈搏(みゃくはく)や呼吸なども実際「秒」で測るに格好なものである。

そして、ひとつの結論にいきつく

 こう考えて来るとわれわれの「寿命」すなわち「生きる期間」の長短を測る単位はわれわれの身体の固有振動週期だということになる。

さらには、生き物の「寿命」について次のように言っている。

 象が何百年生きても彼らの「秒」が長いのであったら、必ずしも長寿とは言われないかもしれない。 「秒」の長さは必ずしも身長だけでは計られないであろう。うさぎと亀(かめ)とでは身長は亀のほうが小さくても「秒」の長さは亀のほうが長いであろう。すると、どちらが長寿だか、これもわからない。
▼寅彦がこう書いて約60年たってあの名著『ゾウの時間ネズミの時間』(本川達男著 中公新書 1992.8.25)が生まれた。その著のはじめに本川氏は言っていた。
私たちは、ふつう、時計を使って時間を測る。あの、歯車と振子の組み合わさった機械が、コチコチと時間を刻みだし、時は万物を平等に、非情に駆り立てていくと、私たちは考えている。  ところがそうでもないらしい。ゾウにはゾウの時間、イヌにはイヌの時間、ネコにはネコの時間、そしてネズミにはネズミの時間と、それぞそれの体のサイズに応じて、違う時間の単位があることを、生物学は教えてくれる。生物におけるこのような時間を、物理的な時間と区別して、生理的時間と呼ぶ。(『ゾウの時間ネズミの時間』P5より)

なんと地続きのことを言っているではないか。
 あらためて寅彦の謎解きの先駆性に驚いてしまうのである。

だからと言って「生命と時間」の不思議は解けたわけではない。
まだまだ続きそうだ。
 「五右衛門」はほんとうに眠っていただけだろうな?今から見に行ってみよう。

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