サイエンスコミュニケーター宣言(178) #sciagora12
▼私は昨日の夕方からいささか興奮していた。いやちがう、いささかではないかなりである。その興奮は一夜明け今も続いている。クマムシを見たのだ。ただクマムシを見ただけではここまで興奮しないだろう。
クマムシの観察については、この夏にも校庭のコケからみつけ動画にまでして、「クマムシはあなたの近くにもきっといる!」と言っていたのだから。ちがうのである。8月の終わりにクマムシがいそうなギンゴケの採集し、水を加え放置していた。9月のはじめに再度観察をしようとしてそのまま放置していたのである。
▼こんなことをしたのには理由がある。私はこのクマムシを自分の眼ではじめてみたときの感動を伝えたかった。
「世界最強」のクマムシは遠くの世界にいるのではなく、自分の家の庭、校庭など私の住む同じ世界にいることフツウにいるんだということを伝えたかった。コトバや画像だけでは限界がある。やっぱり自分自身の眼で確かめてみるのがいちばんだ。
そのためには「いつでも誰でも簡単に見たいときに見れる」観察方法を考え試行していた。
ギンゴケを採集し水を加えそのなかからクマムシをみつける方法は多くの本やネットで紹介されている通りだ。
たまたま見つけることができなければ「いない」ということになってしまう。これではうまく見つけるのは特別の人の名人芸になってしまう。
この方法に気づいたのは2011年夏だ。今年の夏もやってうまくいった。9月はじめの観察で確証を得ようと思っていた。その方法とはこうだ。
クマムシの最大の特徴である「乾眠」を利用するのである。
コケを取り除いてすぐ観察するだけでなく、そのシャーレを放置しておくのだ。放置しておいて、クマムシを「乾眠」させるのだ。そして見たいとき水を加え「乾眠」から目覚めさすのである。この方法はきわめて簡単にクマムシを発見できる方法なのである。シャーレのなかで一度カラカラの世界になってしまったから、すべての動きがなくなっている、その中に「乾眠」から目覚めたクマムシの動きだけがある。
私が興奮しているの8月に採集してそのまましていたシャーレなかなか続々とクマムシを見つけたからである。
この方法が有効であることに確信を持てたからである。
ネバーギブアップ観察法、「乾眠」観察法、究極のクマムシ観察法…なんというネーミングしようかな。
うれしいな!!
これが「私の科学」だ!!
これが「私の科学」の方法だ!!
▼いよいよ迫ってきた。
まであと3日だ。
ここで私は、ぜひとも私以外の人の「私の科学」と出会いたい。そして学びたい!!
小さな「私の「ふしぎ!?」」からはじまって、それにこだわりつなぎ続けて成り立っている多様な「私の科学」
をみつけたい。「私の科学」と「私の科学」が交叉するとき、あらたな「私の科学」が生まれると信じているから。
▼私に「これが、クマムシだ!!」とはじめて見せてくれたのは理科ハウスである。2010年夏のことだった!!
その理科ハウスがサイエンスアゴラ2012に出展している。
◆「みんなのぎもん」(理科ハウス・世界一小さい科学館)
である。
私はまずはここに行って、今の「興奮」を伝えなければならないと思っている。
早朝に切り替えた月の観察、今撮った!!
<つづく>
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