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【お薦め本】『小学館の図鑑NEO「岩石・鉱物・化石」』(萩谷宏 他編著)

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▼昨日も早朝より萩谷宏さんは、岩石の同定をしてくださっていた。それは私自身の2年越しの宿題であった。この機会にと思い助っ人をお願いしたのだ。
 その作業ぶりはみごとだった。私はただただ「へー!!そうなんですか!!」を連発するのみだった。
ルーペで見て、さわってみて名前を同定する。それだけではなかった、ちょっとずつその岩石に関するコメントがつく、それがまた面白かった。
▼この作業を自分ひとりでやるときのガイド本を萩谷さんはすでに出されていた。
それが
◆小学館の図鑑NEO「岩石・鉱物・化石」(萩谷宏 他編著 2012.6.15)
である。
 著者自ら制作意図や見どころのお話を聞けてすごくラッキーだった。
ますますこの本が気に入ってしまった。
▼この本の魅力はいくつもある。再度ページめくりながら順不同に列挙してみる。
・ホンモノ志向である。変に「わかりやすさ」だけを追求していない。岩石の写真・風景の写真、イラストにしてもできるだけホンモノ(自然そのもの)に近いもので伝えようとしている。
・最後に周期表をあげているのはすばらしい!!岩石の世界がそれだけで閉じないことの表明だ。
・同じ理由で鉱物名に化学式をつけているのは大賛成だ!!
・きょっとする写真を多数使っている。特に「岩石の世界」「鉱物の世界」「化石の世界」の扉の写真は圧巻であり感動ものだ。
・「ホンモノの科学はわかりやすく面白い!!」の哲学が貫かれている。
・随所にそれはあるが、特に「地球をつくっている岩石や鉄の重さをくらべたよ」(p35)は実にいい。一枚の写真で地殻・マントル・核の話がストンと腹に落ちるのである。
・「もの知りコラム」で岩石がくらしのなかでどのように使われているかを語っているのはとてもよい。人間は自然にどのように働きかけてきたかの歴史を顧みることにもなる。
・「ひとこと情報」で岩石名の語源にふれているのは、「岩石の名前」を単なる名称憶えで終わらせず、「科学」へととつなげるきっかけにしようとしている意図を感じる。
・最後の「岩石を見分けてみよう」のチャート図は、具体的でわかりやすい。

他にもまだまだある。
まとめて一言で言うなら、
大地の「ふしぎ!?」を追いかけるすべての人にピッタリの図鑑である。
子どもだけでなく大人も必携だ。一生使える「一生もの」だ。
▼ひとつの石ころに秘められた「動く大地の物語」を読み解く作業は、きわめて魅力的で面白い作業であることを今回あらためて再認識した。
 いつも入口のところで思案していた自分がちょっと損をしたような気分になった。

今度はこの本に案内人になってもらって門をたたき入ってみようと思う。

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コメント

ご無沙汰しております。
岩石は連れ合いの学生時代の専攻のなかの一分野でした。
娘は生物系、息子は囲碁に関心の中心が行っていますが、
またこの本も教えてみますね。

いい本を教えてくださり、ありがとうございます。

投稿: いっちゃん | 2012/10/18 06:21

いっちゃん
コメントありがとうございます。
期待をうらぎることはないと思います。ほんとうにいい本だと思います。
ぜひ手元に置いてみてください。

投稿: 楠田 純一 | 2012/10/18 17:33

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