« 新・クラウド「整理学」試論(37) | トップページ | 【Web更新10/7】12-41 【ヒガンバナ情報2012】更新! #higanbana »

本日、第16回オンライン「寅の日」!! #traday

Dsc_0332
Dsc_0362

▼昨日は秋祭り本宮であった。その日、庭先の定点観測地の「紅白組」も「引っ越し組」もヒガンバナは満開であった。とりわけ「引っ越し組」2年目の満開はうれしい。その燃え立つ姿はいくら見ていてもあきない。
 いろんな角度からシャッターをきる。そのうちたいへんなものをみつけた。花茎の足元から葉の芽が顔を出していたのだ。「ハミズ ハナミズ」(葉見ず 花見ず)の里名が意味するようにヒガンバナは花の季節と葉の季節を分けているのだ。ここにヒガンバナの「ふしぎ!?」のはじまりがあった。
 そして「ビガンバナ」のこれまでの概念をくずして、「ヒガンバナの科学」への道があるのである。
▼そのよう既成概念をくずして「科学の眼」をもつことをみごとな文章で推奨した科学者がいた。
それが寺田寅彦だった。
 その寅彦の書いた文章をオンラインで読むのが「オンライン「寅の日」だ。オンライン「寅の日」は、12日周期で巡ってくる。本日は2012年度下半期最初の日である。
◆第16回オンライン「寅の日」
●「地震雑感」(青空文庫より)
 さっそく読み始めると、この「概念」の話からはじまっている。
「地震の概念」についてである。
まずは現況を指摘する。

もし現在の物質科学が発達の極に達して、あらゆる分派の間の完全な融合が成立する日があるとすれば、その時には地震というものの科学的な概念は一つ、而(しか)してただ一つの定まったものでなければならないはずだと思われる。しかし現在のように科学というものの中に、互いに連絡のよくとれていない各分科が併立して、各自の窮屈な狭い見地から覗(うかが)い得る範囲だけについていわゆる専門を称(とな)えている間は、一つの現象の概念が科学的にも雑多であり、時としては互いに矛盾する事さえあるのは当然である。 
 
またこうも言っている。
 同じく科学者と称する人々の中でも各自の専門に応じて地震というものの対象がかくのごとく区々(まちまち)である。これは要するにまだ本当の意味での地震学というものが成立していない事を意味するのではあるまいか。各種の方面の学者はただ地震現象の個々の断面を見ているに過ぎないのではあるまいか。
 これらのあらゆる断面を綜合して地震現象の全体を把握する事が地震学の使命でなくてはならない。勿論、現在少数の地震学者はとうにこの種の綜合に努力し、既に幾分の成果を齎(もたら)してはいるが、各断面の完全な融合はこれを将来に待たなければならない。

総合「地震学」の成立を提唱しているのである。
そうでなければ本当の「地震現象」は見えてこないと言っているのである。
▼この文章が書かれたのは、1924年(大正13年)5月である。
●1923年(大正12)9月 関東大震災
の翌年である。そして、寅彦が亡くなる(1935.12.31病没)11年前である。
●1912年(明治45・大正元)ウェゲナー(独)が最初の「大陸移動説(漂流説)」を発表
から12年後であった。ちなみに今年はちょうど100年後である。
いちはやく最初に日本に大陸移動説を紹介したのは寅彦であった。
この文章のなかにも触れている。
かくのごとく直接観測し得らるべき与件の僅少な問題にたいしては種々の学説や仮説が可能であり、また必要でもある。ウェーゲナーの大陸漂移説や、最近ジョリーの提出した、放射能性物質の熱によって地質学的輪廻(りんね)変化を説明する仮説のごときも、あながち単なる科学的ロマンスとして捨つべきものでないと思われる。今回地震の起因のごときも、これを前記の定説や仮説に照らして考究するは無用の業ではない。これによって少なくも有益な暗示を得、また将来研究すべき事項に想い到るべき手懸りを得るのではあるまいか。
 地震だけを調べるのでは、地震の本体は分りそうもない。

▼このあと「地震の予報」の課題に触れ、最後に次の文章で綴じている。
そうだとすれば、この最大限の地震に対して安全なるべき施設をさえしておけば地震というものはあっても恐ろしいものではなくなるはずである。
 そういう設備の可能性は、少なくも予報の可能性よりは大きいように私には思われる。
 ただもし、百年に一回あるかなしの非常の場合に備えるために、特別の大きな施設を平時に用意するという事が、寿命の短い個人や為政者にとって無意味だと云う人があらば、それはまた全く別の問題になる。そしてこれは実に容易ならぬ問題である。この問題に対する国民や為政者の態度はまたその国家の将来を決定するすべての重大なる問題に対するその態度を覗(うかが)わしむる目標である。
 

寅彦はこう書いて後、亡くなるまでの11年間に上半期にも読んだ「津波と人間」「天災と国防」等々を書き「天災は忘れた頃にやってくる」の警鐘を鳴らし続けたのである。

「1.17」「3.11」を体験した私たちは今、寅彦の鳴らし続けた警鐘を今どのように聞くのだろうか。
3.11から一年と7ヶ月経とうとする今、私たちの「地震の概念」はどこまで変わっただろうか。
もういちど88年前の寅彦のこの文章を読み返してみるところからはじめてみようと思う。

|

« 新・クラウド「整理学」試論(37) | トップページ | 【Web更新10/7】12-41 【ヒガンバナ情報2012】更新! #higanbana »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62729/55841414

この記事へのトラックバック一覧です: 本日、第16回オンライン「寅の日」!! #traday :

« 新・クラウド「整理学」試論(37) | トップページ | 【Web更新10/7】12-41 【ヒガンバナ情報2012】更新! #higanbana »