新・「自由研究」のすすめ試論(52)
▼昨日は処暑。しかし、朝からまだまだ暑かった。
久しぶに朝の校庭散策をした。
散策の最後に見た夾竹桃の白はまぶしかった。
理科室に昨日の「クマムシ」研究の課題に取り組んだ。
▼私とクマムシとの出会いの物語をふりかえってみた。
●2008年の夏の終わり
『クマムシを飼うには』(鈴木忠・森山和道著 地人書館)
『クマムシ?!』(鈴木忠著 岩波科学ライブラリー) 夢中になって読んだ。面白い!!自分でもぜひこの目で見たいと思った。
●2010年の夏 理科ハウスの方に実際に見せてもらった。「どこにもいる!」と教えられた。サンプルもいただいた。
●2011年の夏 校庭でそして我が家の庭で「クマムシ」を発見した。どこにもいる!誰でもみつけることができることを確信した。それを吹聴した。(その場で見せることができなかったからまだ説得力がなかった。)
●2012年の夏 またしても別の学校の校庭で多数発見!!
デジタル顕微鏡で動画の撮影に成功(「クマムシはあなたの近くにもきっといる!!」)
これが物語のあらすじである。
▼昨日の課題は、いつでも誰でも簡単にみつけることのできる方法の開発である。
誰でも、いつでもみつけるようになってこそ「科学」になるんだ。
それはクマムシ観察についても同じだと思っていた。
2010年の観察経験から、従来の方法と少し違うひとつの方法を思いついていた。
その方法とはクマムシの驚異の特性「乾眠」を利用するのだ。
・まず従来どおりの方法で観察する。存在を確認する。
・しばらくそのまま放置する。「しばらく」というのは水が蒸発し完全に乾燥してしまうまでということだ。
・乾燥した土に水を加える。
・しばらくするとクマムシは「乾眠」から覚め活動をはじめる。そこを観察するのである。
この方法がいいなと思ったのは、静止状態から「動き」がはじまるとき観察するので、みつけやすい。
短時間で「発見」できる。最初の観察のときに邪魔になったコケのかけら等は乾燥してしまい動きがないので「動く」ものだけをみつけやすい。
それにこの方法だと驚異の特性「乾眠」(いわば生命の時間をとめること!?)についても理解が深まる。
さらには、クマムシだけが「乾眠」するのでないということが発見できる。
水を加えることで復活してくる生きものがけっこういるのである。そいつらは同時にクマムシのエサでもあるのだ。
この方法・仮説を確立するというのが昨日の私の課題だった。
▼失敗だった!!
私は、8/7に前と同じように校庭の駐車場のコケを採集し、水を加え放置していた。
そのとき、シャーレにふたをしてしまっていたのだ。
なんということだ!!
乾燥していないばかりか、コケは腐りいやなにおいを発していた。
それでもと従来どおりの観察をしたがクマムシをみつけることができなかった。
腐るのは化学変化がおきているということだろうか。辛うじて「死骸」らしきものにひとつ出会っただけだった。
再度挑戦する。コケを採取してスタンバイをした。今度の観察は夏休みあけだろうか。
「研究」は失敗の連続!!
「研究」は行きつ戻りつ少しずつ進化していくもの。
と自分をなぐさめてみた。
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