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「ものはなにからできているか?」 #traday

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▼田植えも進み、野の草花も十分な水分をあたえられすごいスピードで成長して行っている。それにあわせ虫たの活動も活発である。道端の野アザミがひときは美しい。そんなとき、草むらの我がヒガンバナが地上から姿を消そうとしていた。役割を終えたヒガンバナの葉は枯れ果て土にかえろうとしている。
 仮にも「ヒガンバナの観察」と言うなら、この姿こそ見るべきだろう。もしも植え替えをするなら、このシーズンこそ一年間でもっともふさわしいのであろう。長い間定点観測地にしてきたヒガンバナの引っ越しを昨年やり、そして一年がたった。
▼ヒガンバナが地上から姿を消したからと言ってなくなったのでない。秋のお彼岸が近づけば貯め込んだ栄養を使って花茎がスルスルとのびてくることだろう。
 ヒガンバナのみごとな戦略である。!!
ところで、私たちは目の前から姿を消すと、「無くなった」という。
しかし、ほんとうに「無くなった」なったのだろうか。
ルクレチウスの詩の冒頭は

ものはどこからでてきたか。
ものはなにからできているか。
(『宇宙をつくるものアトム』(ルクレチウス著 国分一太郎編 少年少女科学名著全集 国土社 P9より) 

ではじまる。
 私は、この「ふしぎ!?」にどんな答えをもって生きてきたのだろう。
こんなことばかり考えて生きてきたわけではない。
それはそうだが、でもやっぱり理科の教師というかぎりそれなりの答えをもって生きてきたのだろう。
理科の授業をやるにしたってこの「ふしぎ!?」に答えることは必須であったはず。
▼今、それを再び問いかえしている。それが私の文脈のなかでルクレチウスを読むということだろうと思っているから。「原子」の歴史を考えるときすぐ思い出す一文がある。
それは故田中実先生が、最晩年子ども向けに書かれた『原子の発見』(田中実著 ちくま少年図書館43 科学の本 1979.8.25)の最後に書かれた文章だ。

このようにして、現代の化学の土台がつくられた。それ以来70年間の化学の進歩のことは、べつに勉強してほしい。原子の結びつき方の研究は、どのように進められたか。原子・分子のじっさいの姿は、どのようにたしかめられたか。これらの知識は、工業の上で、どのように利用されるようになったか。原子のなかみの研究から、どのようにして原子力の利用の糸ぐちがつかまえられるようになったか。生命の秘密は、化学によって、どのように解かれようとしているのか。化学の産業上の応用がひろまった結果、どんな社会問題が起こったか。このように、たいせつな、おもしろいたくさんの問題が、きみたちの勉強をまっている。(『原子の発見』、付録P17より)

子ども向けに発せられた「宿題」だ。私には「原子」を教える教師にもだされた「宿題」にも思えてくる。
それから、30年以上の月日がたった。
 どこまで、この「宿題」をやっただろうか問いながら、再びルクレチウスに向かう。
▼とは言っても、なかなか私には難解なところが多い。
そんなとき寅彦がとってもうれしいことを書いてくれていた。
「レクレチウスと科学」の後記の部分だ。

 ルクレチウスの書によってわれわれの学ぶべきものは、その中の具体的事象の知識でもなくまたその論理でもなく、ただその中に貫流する科学的精神である。この意味でこの書は一部の貴重なる経典である。もし時代に応じて適当に釈注を加えさえすれば、これは永久に適用さるべき科学方法論の解説書である。またわれわれの科学的想像力の枯渇した場合に啓示の霊水をくむべき不死の泉である。また知識の中毒によって起こった壊血症を治するヴィタミンである。
 現代科学の花や実の美しさを賛美するわれわれは、往々にしてその根幹を忘却しがちである。ルクレチウスは実にわれわれにこの科学系統の根幹を思い出させる。そうする事によってのみわれわれは科学の幹に新しい枝を発見する機会を得るのであろう。

ありがたい。難解さのあまり断念しかける自分にエールを送られた気分だ。
気をとりなおして、ゆっくりであるが再開してみよう!!
ルクレチウスを!!
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