【お薦め本】『理科の授業づくり』(広木正紀 ・内山裕之 編著 東京書籍)<続>
▼第7大賀ハスのつぼみがほんとうにまるまると膨らんできた。花が開くときに「ポン!」と音がするという伝説も思わず納得してしまうほどだ。先日面白いことを経験した、植物栽培にたいへんくわしい方と話をしていて、私が大賀ハスを育てていて、今花が咲きだしたと話をすると、なんとその人は「朝咲くときにポンと音のする…」と言い出されたのである。私は、6つの大賀ハスの花が咲くのをほぼつきっきりで観察してきた。あの一枚一枚の花びらが螺旋的に開いて行くのをつぶさに見てきた。一挙に咲くと言ってもそんな開花の仕方はしないのだ。でもハスを何年にも渡って育てられたことのあるこの「プロ」は「開花無音」を認められなかった。
全国各地の観蓮会の季節が近づいている。どこかで「開花音」報告があるだろうか。
もしあったら、私はあの「プロ」に謝らねばならない。
▼「科学的」とはなんとも魔法のような言葉だ。使い方しだいでは毒にも薬にもなる。
この「科学的」とはどういうことかへの問題意識を大切にした授業づくりを言った、あの
◆『小・中・高一貫カリキュラムへの改革を先取りした理科の授業づくり (広木正紀 ・内山裕之 編著 東京書籍 2012.06.29)』
の紹介をつづける。
編者は最初にこの書は「広場」あると言った。
読み進めるあいだにますますうまく言ったものだと思いだした。
多種多様の提案・提言に満ちているのだ。必ずしも同じ意見というわけではない、一見てんでバラバラのようにも見える。
しかし、それはアタリマエ。
「広場」にあつまってくるのはいろんな人がいるんだ。だからこそ「広場」なんだ!!
だが「広場」に集まった人には共通のキーワード・テーマがある。
それが「これからの理科の授業づくり」だ。
▼「授業」に関わることは、こんなにもたくさんあるかと驚くばかりだ。
「授業内容・教材」の第一章につづいて
2章 授業方法の工夫例と、支える学習論 (7)
3章 授業計画と授業案 (8)
4章 授業とつながる、周辺からの工夫の例 (3)
5章 「総合」や「連携」の実践を工夫する (11)
6章 これからの理科教育を考える (8)
7章 教師の自己研鑽 (7)
( )の中は提案・提言の数である。全部44ある。これは一章と同じ数だ。
だから全部で88項目にも及んでいるのである。
「なるほど!その通り!!」と膝をたたきながら読んだものもある。
読むまでまったく知らなくてはじめて知り「発見」したこともある。
なかには、「それは違うんではない」と自分と違う意見にも出会った。
読み進めるうちに、私はこの「広場」の人に直接会ってみたい気分になってきた。
▼実は、私もこの「広場」に集ったひとりなんだ。
拙い文をふたつ書かしてもらっている。
◆25 ヒガンバナをWebど追う~教材化への道求めて~
「ビカンバナ情報2011」
◆76 「新・私の教材試論」の今~Web・SNS・blog・Twitterを活用して~
新・私の教材試論
いずれも、現在なお進行形である。また、こちらも読んでいただきご意見いただくとうれしい。
最後にもういちど編者の言葉を引用させてもらう。
本書は、これからの時代の教育を展望した、ささやかな取り組みの一歩にしたいと思います。
繰り返す。これは「はじまり」の書である。
「これからの理科の授業」を考えるすべての人にお薦めです。
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