再び、「丹生」を追う!!
▼縁側で、花茎の水栽培をしていたヒガンバナが憐れに枯れてしまった。この一本は、実は先日の種子を探す会のとき群生地で、この一本だけ子房にふくらみがあったもので、これだけ別に持ち帰り水栽培をしていたものだ。
花茎は先端から枯れいったのである。花茎の維管束は上は水・養分を運ばなかったのである。他の花茎の水栽培はまだみどりを保っている。もう少し観察つづけてみよう。
▼ヒガンバナの「ふしぎ!?」を追っていて思い出すのに、私にはもうひとつ長きにわたり「ふしぎ!?」を追いかけているものがあったのを思い出す。
今は、もっと緊急に取り組まねばならない課題があるはずと思いながらも、そのことが気になりだしたのである。
それは、きっと「私にとって科学とはなにか」のこびりつく問いにひとつの答えをあたえてくれそうだと思うからだろう。
その「ふしぎ!?」は、25年ほど前の、生徒の夏休みの自由研究にはじまる。
当時勤務していた学校の校区に「仁豊野」という地名のところがある。その地名は「二(丹)+フ(生)+ノ(野)」に由来するというのがその自由研究の主旨だった。郷土研究家に聞き取りをそれをまとめたものらしかった。
「丹」が生まれる地だというのである。丹とは硫化水銀=朱である。
私は、面白いと思った!自分でも確かめたくなってきた、それ以来「丹生」を追うことをはじめたのである。
▼それ以後の経緯を簡単に科学読み物もまとめたことがある。
◆古代の「朱」が語るもの~水銀と人間のものがたり~
ともかく一時期は、「丹生」「朱」にこだわり続けた。
・活断層と丹生
・大地の動き(地形)と金属
・染色と丹生
・金属と人々のくらし、文化
・金属と宗教
・近代科学以前にも「科学」はあったのでは
・私たちにとって「科学・技術」とは
如何様にもつながった。いや強引につないでいった。中央構造線を「丹生」情報を求めて走ったこともある。
どんな小さな「発見」でも出会うと目から鱗であった。
面白かった。
面白くなければ科学でない!!
と思っていた。
▼ネットの時代になっても、それを細々とつづけていた。
◆Webページ『丹生を追う』
もつくってみたものの、あまり頻繁に更新をしてこなかった。
なぜか、今ここに来て、無性に再び「丹生」を追いたくなってきた。
ゆっくりとはじめてみようと思う。面白そうだから…。
面白くなければ「科学」ではない!!を繰り返しながら…
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コメント
仁豊野ですか…そういう説があったんですね。
話は変わって。
先生が先日来ブログに載せてらっしゃる、
「ヒガンバナの実」に子どもたちが食いつきました。
「三倍体だから種なんてできないと思ってたのに…」と。
投稿: いっちゃん | 2011/10/22 13:49
いっちゃん
おはようございます。
今は奈良にいます。丹生を追ってきています。
子どもさんヒガンバナの不思議に興味をもってもらったみたいでうれしいですね。ぜひ、種子、種子もどき発見してほしいですね。もし見つからなくてもまたレポートいただくとうれしいです。
投稿: 楠田 純一 | 2011/10/23 06:42
社会科学的な研究している方に「仁豊野」周辺に住んでいますといったら、それは丹生に関わりがある地名ですねと言われました。
投稿: 熊谷 哲 | 2011/10/26 15:32
熊谷 哲さん
ご無沙汰しています。
コメントありがとうございます。
再び、「丹生」を追っています。あのとき熊谷さんに教えていただいた地図、再び見ているととても面白いです。いろんなことと結びつけて考えてみるととても示唆的です。
丹生=硫化水銀=朱
という考えは、化学的にみてどう思われますか。
アマルガム鍍金、アマルガム精錬はいつごろまでやられていたのですか。
いろいろ教えていただきたいことあります。
また、時間あるときにでもよろしくお願いします。
投稿: 楠田 純一 | 2011/10/27 06:16