【授業】0.04%にぶらさがる生命
▼昨日朝、金星探査機「あかつき」が地球を出発した。どんな情報を私たちに届けてくれるのだろう楽しみである。その日の朝、地球上で私は、ずっと「太陽」を待っていた。
「光合成の原料」の授業をするためである。太陽が顔を出している「晴れ」の日に、この実験はしたかった。
朝は少し曇っていたりしたので不安だった。しかし、やがて雲のない空になり、お昼頃には太陽は、夏の太陽となった。絶好の実験日となった。
▼昼の休憩時間に、近くの野原にでかけ、タンポポの葉を採集し、実験を準備した。
少し遠ざかっている間に、あの「BTB+水草」の定番実験は教科書から消えていた。教科書に出ているのは、きわめてダイレクトな方法である。
試験管にタンポポの葉を入れ、呼気を吹き込み、30分太陽の光をあてる。そして、その後、石灰水で二酸化炭素の検出をするというものである。もちろん対照実験もおこなう。
▼おあつらえ向きの実験日和だった。待った甲斐があるというものだ。
実験結果を見た生徒からは
「そりゃ、タンポポの葉が吸い込んだや!!」
の結論ははやかった。
そして、光合成の原料として、「水」と「二酸化炭素」とまとめた、アタリマエのことのように。
しかし、考えてみるとこのアタリマエはすごいことのように思えてきた。
▼「あかつき」が向かった、金星では大気のほとんどを二酸炭素がしめるという。
現在の地球上に大気には、0.03%~0.04%の二酸化炭素が存在する。この二酸化炭素を原料として「光合成」は行われ栄養を生産する。この偉大なる生産活動こそが、すべての「生命活動」のはじまりである。
我々の生命の営みも、この世話になっている。
と言うことは、
地球上のすべての生命は、この大気の0.04%にぶら下がっている。
ということだ。
▼この0.04%という数値を使うことに、ちょっと違和感があった。
「あれ、昔は0.03%を使っていたのに…」と。
そこで大気の二酸化炭素濃度ことを調べてみた。そのなかで非常に興味深い気象庁のデータに出会った。
◆二酸化炭素濃度分布
これを見ていると、地球がひとつの「生命体」のようにみえてきた。
そして、今日は「国際生物多様性の日」!!
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