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【授業】『タンポポの研究』への誘い

Dscf7229▼ついにGWへの突入である。そして今日は「昭和の日」であるという。「しょうわ」なんともなつかしい響きだ。こもごものことを思いだし、少しセンチな気分になるのは、自分が年老いた証拠だろうか。
 この「研究」を最初に夢中になって取り組んだのも「昭和」の時代だっただろうか。
「タンポポの研究」である。その提案を昨日の授業でやった。
▼中学一年生を担当したときは、いつもこの「タンポポの研究」を、GWの課題研究としていた。
さまざま報告を聞いてきた。私自身もたくさんの「発見」に出会ってきた。
 ずいぶんと久しぶりの実践である。提案のためのプリントを準備しようとした、ところがあまりにも長い間やっていないので赤茶けた手書きのプリントしか資料として残っていない。そこで思い出したのが、【実践DB】のWebページに残していた『タンポポの研究』である。これをコピーして新たに、プリントを作成することにした。
こんなときには、遅々たる歩みの【実践DB】であるが役に立つものである。ありがたい!!
やっぱり時代はクラウドだ!!
▼この『タンポポの研究』、最初にやりはじめたころからくらべると、ずいぶんと変化してきている。課題研究のテーマは8つある。その8つは以下のとおりである。
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1. まず、タンポポの花を「ひとつ」とってみよう。
 よく見てごらん。ひとつの花だと思っているのが、実は小さな花(舌状花とよばれているよ。)のあつまりであることがわかるだろう。カミソリの刃やカッターナイフ花を縦に切ってみよう。そして、その断面図と、ひとつの小さな花をとりだして、その花のつくりをスケッチしてみよう。めしべ、おしべはあるかな。花びらはどれかな。種子はどこにできるかのかな。

2.ひとつの花の集まりにはいったい、いくつぐらいの小さな花(舌状花)からできているのかな。
  かぞえてみよう。バラバラにした、小さな花は、色の紙の上などにおいて、上からセロテープでとめてみよう。いい資料ができるよ。* その他、工夫して、円形にならべて見るのもおもしろい。いくつかの花について、小さな花の数を調べてみよう。

3.花の開き方について調べてみよう。
(1) タンポポは春から長い間咲きつづけますが、ひとつの花は何日ぐらい咲き続けるものなのでしょうか。
<予想>をたてて調べてみよう。
   ア 1日だけ   イ 2日  ウ 3~5日   エ 1週間以上
(2) タンポポの花は、一日のいつごろ咲き始め、いつごろ閉じるのだろう。
   それとも、昼も夜も咲いているのかな。タンポポの花の一日を、朝少し早起きして調べてみよう。
(3) 開いているタンポポに、鉢のようなものをかぶせてみよう。どうなるかな。 
(4) 天気によって、花が開いたり、閉じたりするかな。

4.タンポポはどんな場所に多く見られるかな。
 道ばたと草むらのなかでは、花がついている柄(え)の長さや、葉のながさにちがいがあるだろうか。調べてみよう。また、それがどうしてかも考えてみよう。うんと長いもの、うんと大きなものをみつけてもってこよう。

5.日本のタンポポとセイヨウタンポポをさがそう。
タンポポと一口に言っても、いっぱい種類があります。でも、大きく分けると日本に古くからあるタンポポ、いわゆる日本タンポポ(このへんではカンサイタンポポ)と、外来種のセイヨウタンポポに分けることができます。分け方は簡単です。右図のように、総包そりかえっているかどうかで見分けることができます。君もそれを分けて見て下さい。
最低100個のタンポポについて調べて見て下さい。日本のタンポポは、何個ぐらい、どのあたりに多くありましたか。セイヨウタンポポはどうでしたか。どこに、というのはくわしく書いて下さい。できれば地図も…。* タンポポには、シロバナタンポポといって、「白い花」をしたタンポポもあります。そんなの見つけたら、すぐ報告して下さい。

6.君は、タンポポの根っこを見たことがありますか。
 右図のような根をしています。どのくらい長さがあるのでしよう。掘ってみて下さい。切らないでうんと長いのを掘り出すには、まわりの土地のやわらかいところを選ぶこと。まわりに水をまいてやること。これは何人かグループでやってもよいでしょう。掘り出したら、学校に持ってきて、みんなに見せて下さい。写真で報告というのもいいですね。後日コンテストをやりましょう。

7.タンポポの花が咲いた後に、綿毛のような種子(果実)ができます。
あのパラシュートのようなものです。ほんとうにあれは、タネなんでしょうか。一度蒔いてみよう。芽がでるかやってみよう。よく観察してみよう。大きく育てることができるかな。
○ 乾燥してしまわないようにして、数日、観察を続けよう。連休中に観察したものを学校へ持ってこよう。
○ 写真で、成長の記録を残しておくのもよい。

8.タンポポを食べてみよう。
 根は、昔から煎じて「風邪薬」として利用していました。今は「タンポポコーヒー」として喫茶店で出している店もありますよ。ぜひ挑戦してみて下さい。葉は、「てんぷら」に、「おしたし」にいいですよ。花は色どりに…。あれ茎は?ともかくタンポポを使っていろいろ挑戦してみて下さい。報告をまっています。
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以上である。
▼提案をしてみると、けっこう興味をもってくれたようだ。
「シロバナタンポポ」については半数近くの生徒がこれまでに見たことがあると手をあげた。
あの私の「ふしぎ!?」を続々とあげてくれた生徒たちである、連休明けにどんな報告があるか楽しみである。

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