【授業】酸化銅の還元
▼最近、【理科の部屋4】@folomyでファラデーの日記のことが、話題になっていた。1820年8月から1862年までの42年間毎日綴られているという。なんという膨大なる「記録」だろう。それだけではない。そのうち1832年8月25日から1880年3月6日までの記録には各パラグラフに通し番号をつけられているという。その数は「16041」におよぶという。なんなのだろうそれは、それこそ思考のDB化を図ろうとしたのだろうか。
ファラデーの数々の業績はそこから生み出されたものなのだろう。
こんな拙い理科教師日記を、これに重ねて考えること自体、不遜なことだ。本格的に書き始めてからでは、まだ2年もたっていない。大きなちがいだ、だからといって時間を過去にもどすことなどできない。
できることは、書き続ける・記録をしつづけることだけ。
▼授業の記録をつづける。化学変化(2部)に入って、3時間目である。
定番中の定番、「酸化銅の還元」実験である。実験も3時間目になってくると、器具の扱いにも少しなれてきたようだ。実験を楽しんでいる様子が見える、片付けもふくめてスムーズである。
実験している様子を見ていて、
「21世紀のアルケミストたち」というフレーズが浮かんだ。
2年生のときの授業のキャッチコピーは「21世紀の原子論者に!」だった。
▼近代科学がはじまる前にアルケミストたちがいた。ニュートンは最後のアルケミストと言われている。
21世紀の科学の「学び」のなかにも、アルケミストの顔があってもいい。
物質を相手に、試行錯誤を繰り返す。
そのなかでの器具扱いの技術の習得。
科学の「発見」。そのプロセスを楽しむ。それも科学することの面白さのひとつである。
▼定番実験なので、何度もやってきていたのに、最初うまくいかなかった班があった。
酸化銅と活性炭素を、乳鉢でよくまぜる。なにをしようとしているのかを、「原子」の目でイメージしながら…。
ステンレスの皿がなかったので、アルホイルで皿をつくった。
アルミホイルの皿が分厚すぎたのだろうか。
ガスバーナーの火力が弱すぎるのだろうか。臨界点に達しない。
ダイレクトに試験管に入れ加熱してみた。一挙に、化学変化が起きた。
試験管がふいにしてしまったが、どれほどの激しい変化かがわかる。
実験に「失敗」はない。あるのは「結果」という事実だけだ。
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