« 【授業】内なるアリストテレスとのたたかい | トップページ | モリアオガエルの卵塊を観た! »

そもそも「ウィルス」とは?

▼「内なるアリストテレス」とのたたかいは、続けている。それが、どこまで授業化できるかは別にして、少しだけわかった気分にならせてくれるものがある。それなら、ガリレオ以前も以後の続いていることである。きわめてありふれた「運動」である。雨粒の落下運動である。雨粒は、地球の中心にひっぱり続けられる。途中でやめたということにはならない。でも、雨粒には「終末速度」というものがある。それをこうして(3c 空気抵抗のある運動(雨滴の落下))見せてもらうと、「見えない」力が見えてくると、納得はうんと進むのである。
科学とは、「見えないもの」を「見える」ようにする営みをさして言うのかもしれない。
▼今、どうしても「見える」ようにしたいものがある。そいつが「ウィルス」である。とんでもない状況である。私は、この「ウィルス」というものについて、何を知っているのだろう。少し整理をしておこう。
そもそも「ウィルス」とは、何もの!?
▼その問いの有効性を教えてくれる人がいた。それがあの「動的平衡」の福岡伸一さんだ。
科学技術振興機構が発行する雑誌に「Sience Window」というのがある。毎号とても、面白い特集で科学を学ぶ楽しさ紹介してくれている。その「Sience Window」が、昨年(2008)の12月号で「ウィルス それは何?どうつき合うか」という特集を組んでいる。わかりやすく、その歴史から対処法までわかりやすく解説している。今日を予見したかのような特集だ。今もオンラインで読める。一読に値する。
▼その冒頭だ。福岡伸一さんの文がある。

 ウィルスとはいったい何物なのか。これは生命とは何かという問いと同じなんです。(同誌p6)
 ここからはじめて、生命科学の歴史とウィルスのことについてわかりやすく語られている。それにしても、なんと示唆的なはじまりだ。
 ずっとずっと問い続けている「生命とは?」と同じとは…。
ならば、等身大の「科学」を駆使して、こいつの「正体」を可能なかぎり「見える」ものにしていこう。

|

« 【授業】内なるアリストテレスとのたたかい | トップページ | モリアオガエルの卵塊を観た! »

コメント

福岡さんは、当代きっての生命科学の解説者です。
自身もプリオンなどの研究の最前線にたちながら、
様々なことをうまく解説している。

講談社新書で「生物と無生物のあいだ」というのも出ていて、これには、いま新型インフルエンザの検査で話題のPCRについても解説してあり、お買い得。おもしろい本なのでぜひ。

投稿: 渡部義弥 | 2009/05/20 10:25

渡辺さん いつもありがとうございます。
今一度、キャリー・マリスのところ読み直してみました。面白いですね。「歴史」というには進行形でありすぎる話ですね。

投稿: 楠田純一 | 2009/05/21 05:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: そもそも「ウィルス」とは?:

« 【授業】内なるアリストテレスとのたたかい | トップページ | モリアオガエルの卵塊を観た! »